「恐らく、芽瑠さんはあたしの後に来たんだと思います」
「どうしてだ?」
「芽瑠さん、湊さんが消えた後、すぐにトイレに向かったみたいですから」
そうか、芽瑠がトイレに行ってる間に隼の部屋に来たんだな。
「それで、お前はどんな風に戻って来たんだ?」
「あたしは、拘束を解き放ったら出られました」
「いや、もう少し分かりやすく教えてくれ」
「あたしが鏡の中に入ると、中にはあたしがいました。そして、その手には人形が抱かれていました」
「人形……じゃと?」
「どんな人形だったのかな?」
「何だか、藁を人の形に編み込んだようなものでした」
なるほど、藁人形ねぇ。つまり詩穂の場合、『人形』が特化したんだな。呪いの人形って意味では、藁人形も『メリーさん』も似たようなもんかもな。人を呪う人形か、人を呪っている人形かの違いはあるけどな。
「そして人形を持ったあたしは、人形を動かしました。すると、その人形に合わせてあたしの体が勝手に動いたのです」
人形の呪いにも様々なものがあるが、今回は操り人形みたいだな。多くは対象の髪の毛を編み込むんだが、今回は人形に特化してるから、その必要がなかったのだろう。