料理ベタなヒロインの作った『暗黒物質』を平らげる主人公なんかは、こういう想いの強さで何とか乗り切っているんだろう。当然、非科学的な話だが、それこそ俺たちは自身の『能力』を開花させ、本の世界でこいつら『妖怪』と共に戦っている、まさに物語の主人公のような状態なのだから、そういうのがあってもおかしくないと思う。むしろ、想いの力で何かを成し遂げれるなら、それは素晴らしいことのはずだ。
「隼の想い……」
「そうだ。それとも、言われても分からないか?」
「ううん。隼の、想いの味がする」
……って、何でこいつはもう食べてんすかねぇ?仕方ない、ちゃんと分かってくれたようだし。
「いただきます」
「「「「いただきます」」」」
「いただいてます」
俺の後に、みんなが続いて食べ始める。なぜか一人おかしな表現になっているやつがいるが、事実そうなので、しょうがないだろう。
「うん、まあまあじゃの」
「味には支障はないみたいですね。見た目はアレですけど、おいしいです」
「オレにしては、上出来だろ」
「あぁ、確かにお前にしてはよくやった方だと思うぞ」
「でも、湊さんのもおいしいかな」
「そりゃどうも」