「そんなこと聞いて、どうするんですか?」
「いや、毎回気絶させられて気付いたら別の世界になってるから、ちょっと気になってさ……」
それに、もしかしたら『能力』を扱えるようになった(不安定)俺らにも、移動が可能かも知れないしな。そうなれば、毎度痛い思いをしないで済むし。
「そうですね……。あたしもほとんど経験ないんで、はっきりとは言えませんが……世界を結ぶトンネルを抜けるって感じですね」
「もう少し具体的にお願いしたいんだが……」
「と言われましても……そうですね、本の中に入ると、一旦暗い世界に行くんです」
「暗い世界?」
「はい。そこには何もない、ただ真っ暗なだけの世界です。それこそ、先の見えないトンネルをイメージしてもらえたら分かりやすいです」
あぁ、それならまだ想像出来なくもない。
「そして、しばらく歩くとすぐに光が見えてきます。その光に向かって歩いて行くと……」
「そこはもう、別の世界ってことか」
確かに、世界を結んでいるトンネルだな。ただ、疑問があるとすれば……。
「じゃあ、今回は何でみんな倒れていたんだ?」
詩穂の説明だと、俺や隼はともかく、他のみんなが倒れていた説明が付かない。