隼にしては珍しく気を使っていやがる。こいつ、さては気付いたな?まぁ、追求しないでくれる辺りはさすが『悪友』といったとこかな。
「加奈はちゃんと寝たから大丈夫かな」
そんなこと、重々承知だ。だって、俺に抱きつくように寝てたんだから。しかし、だからといって連れて行くわけにはいかない。連れては行けないわけがある。
「そんな心配しなくても大丈夫だって。それに、少し一人で考えたいことがあるんだ」
これは決して嘘ではない。『未来の俺』のこと、今回の敵のこと、そして何より『隼の能力』のことなど、いろいろと考えなければならないことは山積みなのだ。
「そう、ですか。分かったかな」
「すぐに帰ってくるさ。んじゃ!」
外に出てみると、暖かい太陽が出迎えてくれた。予想通り、昨日より晴れているみたいだ。この分だと、すぐに見付けられるだろう。
「森に、いるはずだよな」
まぁ、森と言っても枯れ木が無数に生えてるだけなんだけどな。俺はその枯れ木だらけの森をどんどん奥へと進んでいく。枝なんかを拾うのは後回しだ。まずは『あいつ』を見付けないと。