「お前ら、他人事だと思って……」
「実際、そうだしな」
こいつらには、おもしろいという感情が優先されるだろうが、当事者としては堪ったもんじゃない。あいにく俺には、女の子の涙を止めるような便利なスキルは備わっていないんだ。
「とりあえず、落ち着けって。俺はもう大丈夫なんだからさ」
「落ち着かなきゃいけねぇのは、お前の方じゃねぇのか?」
「うっせぇ。外野は黙ってろ」
ここぞとばかりに、追い討ちをかけてきやがる。普通の状態ならどうってことないんだが、この状態で対処するのはキツい。なにせ、後ろから女の子が抱き付いているんだから。昨日は精神的に追い込まれていたから意識していなかったが、一旦意識してしまうといろいろと……。
「加奈、もういいから。大丈夫だから……」
加奈を抱きしめ、頭を撫でて安心させる。すると、少しずつ加奈が泣き止み始めた。
「ほら、な?俺は元気だから」
「うぅ……」
「心配しなくても大丈夫だって」
「ほん、と?」
「あぁ、本当だ。隼たちがそんなことで責めたりすると思うか?」
「そう……かな。大丈夫、かな」
「あぁ。だから、もう泣き止め。分かったな?」
「……はい」