皿の上には、キレイな形をした『たこ焼き』があった。材料は変なものを渡していないので、『たこ焼き』のはずだ。それにしても、ずいぶんキレイに作れた な。簡単だと口では言ったものの、実際はこうやって丸くするのが中々難しいんだよな。それをあっさりするとは……。さすが、女の子だな。
「湊さん、これ……食べてくれないかな?」
「えっ?俺が?」
「いや、かな?」
「そういうわけじゃなくて……。初めて作った料理なんだろ?自分で食べたくないか?」
俺は、初めて料理を作った時、どんな味になっているのか気になって、最初の一口は自分で食べた。しかし、そのあまりの不味さに、口から吐き出した記憶がある。だが、その後に母親がおいしいと言いながら、全部食べてくれた。そして、俺は今度は本当の意味でおいしいと言ってもらえるように、料理をするようになったのだ。今では、他の人においしいと思ってもらえるだけで、料理している意味があると思っている。
「いえ、初めてですから、湊さんに食べてもらいたいかな」
「ま、まぁ俺にくれるならうれしいが……」
初めてなのに、自分で食べたくないのか?まぁ、くれることはうれしいけど……。もしかして、何か入って……いやいや、その可能性はない。ちゃんと作ってるとこ見てたしな。