「い、いったい何をしようというのかな?」
「まさかとは思いますが……一応言っときますが、壊さないでくださいよ?」
「なはは。大丈夫だって。俺らなら、何とかなるはずさ」
「『俺ら』?ということは……」
「もちろん、俺と隼だよ」
「湊さんはともかく、隼さんに何をさせるつもりなのかな?」
「それはだな……。お~い、隼!受け取れ!」
「受け取れって……うぉい!何をしようとしてんだ!?」
「いくぞ!せーのっ!」
思いっきり隼目がけて詩穂の携帯をぶん投げる。それを、慌てつつもしっかり片手でキャッチしている隼。さすが、やる時はやる男だよ。
「あっぶねぇな。いきなり何しやがる!」
「良いじゃねぇか。それより、ちゃんと持っとけよ」
『クラーケン』は、隼の方に目を向けている。このままじゃ駄目だな。よし……。
「『クラーケン』!お前の獲物はこっちだ!」
そばにあった空き瓶を、『クラーケン』に向かって思いっきりぶん投げる。ゴミは持って帰ろうね。
『パリン』
空き瓶が一本の足にぶつかって、粉々に砕けた。痛がってはいないようだが、空き瓶をぶつけたおかげで、『クラーケン』の意識がそっちに向いた。よし、これなら……。