「いや、それはそれで考えられなくもないが、それだと気絶する前に、骨が折れる音がするはずだ」
「じゃあ、いったい……」
真剣に考え込む詩穂。そんなに考える必要はないと思うんだが……。
「そんなに深く考える必要はないさ。単純なことだよ」
「単純なこと?」
「そう、とっても単純に……恥ずかしかったんだよ」
『「「「えっ?」」」』
その瞬間、四人が一斉に驚いた声を上げた。いや、そんなに不思議がることかよ?
「湊さん、いくらなんでも、それはないんじゃないかな?」
「そうじゃぞ?ジョークは時と場合を考えて言うべきじゃ」
「今のはあまり笑えないよ?」
『隼に限って、そんなことはないと思う』
どうやら、俺の言ってることを冗談だと思っているらしい。まぁ、普通に考えたらそうなるのも無理はないわな。しかし、相手はあの隼。そんな冗談みたいなことを、平気でやる男なんだよ。
「あいつはな、確かにそんな恥ずかしがりやではない。初対面の人でも馴れ馴れしく話すし、ステージに立つのも大丈夫だ。しかし、その一方で変にはずかしがる時もあるんだよ。特に、今回みたいなのにはまったく耐性がないからな。あまりの恥ずかしさに、脳がショートしたんだよ」