「いや、基礎知識だから、普通にみんな知ってるだろ?」
「普通に知らねぇよ?特に、他のやつは分かるが、スーパーの店長と占い師が心理学とどう関係あるのか、まったく分からねぇ」
「スーパーの店長は、人々の心理……人の欲しがるものや買う順番などを考えて商品を置いたり、同じ値段でも表記を変えて安いように見せたりするな」
「そんなことまで考えてたんだな」
「あと、占い師は、人の仕草や雰囲気で相手の状態を把握し、どっちとも取れるような曖昧な質問をするんだよな。例えば、『あなたのお父さん、死んでいませんね?』みたいに、死んだのでこの世にいないってのと、まだ死んでないですねってのだな。それを聞いた相手は、自分が置かれている状況と照らし合わせて、勝手に都合の良い解釈をしてこっちを信用する。そうなれば、あとは相手から勝手に情報を曝け出してくれるので、良さげなことを言っていたらいい。だいたい信じてくれる。まぁ、テレビに出る占い師なんかの中には、事前に相手の家族関係や交友関係を調べておいて、あたかも占いで出たかのように見せ掛けるインチキ野郎もいるが、それも相手の心理を操っていることに代わりないしな」