「何を言っておるのじゃ?」
「やられ役……つまり、恐怖を与えるための脇役だ」
「じゃが、このまま見過ごすなんて出来ないじゃろ?」
「だからって、どうしようもないんだよ」
「そんな……」
『ちょっ、何をするつもりだ!?』
「ほら、早くしろよ。じゃないと遅れるぞ?」
扉を開けて、みんなを促す。
すると、真理は納得いかないのか、渋い顔をしながら。
隼はこの状況を楽しんでいるのか、少し笑いながら。
芽瑠は相も変わらず無表情で。
みんな下に降りていく。
『おい、嘘だろ?よせ、止めろ。ギャー!!』
『グチャ』
降りている途中に、男の断末魔と嫌な音が聞こえた。
「早くしないと、こっちに来るぞ」
「もうすぐ外に出れるのじゃ」
『ズルズル ズルズル』
「ちっ、もう動き出したか」
「皆のもの、走るのじゃ!」
音が聞こえた瞬間、なんとか玄関から外に出られた。
「うわっ、何にも見えない」
隼の言う通り、単に暗闇に目が慣れていないだけじゃないようで、まるで黒いペンキで辺り一面塗り潰したみたいだ。
そして、何より不思議なのは……そんな状況の中でも、みんなの姿がはっきり見えているってことだ。