「ワシの姿を見て、呆然とする者、逃げ出そうとする者、何故か興奮する者、様々な者がいたが、湊みたいな者は初めてじゃ」
「遠回しに、ヘタレ呼ばわりされてる気がするんだが?」
「殺そうとしているやつが、ワシが来た時には倒れているんじゃから、そりゃ怒っている場合じゃないじゃろ」
「そう言えば、何で怒っていたんだ?」
「お主……分からんのか?」
「残念ながら、思い当たる節がない」
「はぁ~。やっている途中に、指を離したじゃろ?」
「それが、どうかしたのか?」
「あの儀式はの……ワシが帰るまで、絶対に指を離しちゃならんのじゃ」
「あれ、そうだったの?それは、悪かったな」
「もう良い。じゃが、その代わり人間になるまで、きっちり働いてもらうぞ」
「それは、分かってるけど……」
『プルルルル プルルルル』
その時、携帯が鳴りだした。
「な、なんじゃ!?いったい何が起こったのじゃ?」
「後で説明するから、ちょっと黙ってて」
「う、うむ。よう分からんが、了解じゃ」
ところで、いったい誰からだろう?知ってるやつからだったら鳴り方が違うはずだから、誰か知らないやつのはずだ。
「もしもし?」
『おう、湊か?』
「その声は……隼?」
『何で、疑問系なんだ?』
そうだ、隼は最近新しい携帯を買って、電話番号が変わっていたんだった。
登録するの忘れてた。