第7弾は、県内唯一の蚕糸(さんし)記念館の「美馬蚕糸館」!!
シルクロードなど教科書にも出てくる絹
絹はお蚕(かいこ)さんが作った繭(まゆ)から作られるんだけど、みんなは、お蚕さんのことを知っているですだちか
今回ボクは、美馬市にある「美馬蚕糸館(みまさんしかん)」に行ってきたじょ
ここは、もともと養蚕(ようさん)業をしていた自宅を改修して始めたんだって
お蚕さんのことを勉強してくるですだち いざっ!!いくじょ
この施設を運営している前田 豊太郎(まえだ とよたろう)さん・清子(きよこ)さんご夫婦にお話を聞いてきたじょ
美馬蚕糸館に行ってきたじょ
すだちくん「今日は、よろしくお願いしますですだち」
前田さんご夫婦「すだちくんだ~よろしくね
すだちくんは、お蚕さんのこと知ってる」
すだちくん「えっと、あの白い虫さんですだちよね!
あの虫さんが糸を出して、繭になるってことぐらいしかあまり知らないじょ
そういえば、どういう風にお蚕さんから繭が作られるですだち」
前田さんご夫婦「すだちくん、大丈夫!合ってるよ
お蚕さんのことをもう少し詳しく言うと、卵→幼虫→さなぎ→成虫で大きくなっていくよ。
すだちくんが言ってくれた繭っていうのが、幼虫→さなぎのところだよ。
幼虫になってから25日ぐらいしたら、糸を吐いて繭を作るんだよ」
すだちくん「なるほど!お蚕さんは、何を食べて大きくなるですだちか」
前田さんご夫婦「桑の葉だよ」
桑の葉は、こんな葉っぱですだち!
前田さんご夫婦「お蚕さんが桑の葉を食べている音は、雨の音に似ているんだよ~
ちなみにお蚕さんって、こんな風に上を向いて寝るんだよ」
すだちくん「そうなんですだちね!面白いじょ
上を向いて寝るなんて、器用ですだちね。ボクだったら首が痛くなりそうですだち
お蚕さんが、繭を作る時期ってあるですだちか」
こんな風に上を向いて寝るですだちね♪ この箱のしきりの中でお蚕さんは繭が作られてるじょ
前田さんご夫婦「桑の葉がある5~9月だよ」
すだちくん「ふむふむ
着物を1着作ろうと思ったら、どれだけのお蚕さんが必要ですだち」
前田さんご夫婦「聞いたら、すだちくんビックリすると思うよ
約2700頭のお蚕さんが必要だよ
そのお蚕さんが98㎏の桑の葉を食べて、合計で4900gの繭を作るんだ。」
すだちくん「び、びっくりだじょ
1着作るのに、そんなにお蚕さんが必要ですだちか
あんなに小さいけど、いっぱい食べるですだちね!」
前田さんご夫婦「ビックリしたでしょう~
それにお蚕さんは、すごい手間暇がかかる生き物なんだよ!!
エサの管理をしっかりしないといけないし、温度調節も気をつけないといけないんだ。
トイレのお世話もしてあげる必要があるんだよ。」
すだちくん「そうなんだ~!知らないことばっかりで、勉強になるじょ
ここは、今見た記念館以外にどんなことができるですだちか」
養蚕に関する資料・作品が展示されているじょ!
当時使っていた道具や機械の多くは、県内の知り合いから買い取ったらしいじょ
前田さんご夫婦「記念館以外に、繭から絹糸を作ってランプシェードを作る体験もできるよ
せっかくだから、すだちくんにも体験してもらいたいな」
すだちくん「そんな体験ができるですだちね!
是非やってみたいじょ」
稲穂で繭の糸口を見つけるんじょ! 繭から糸が出てるですだち
作った絹糸を巻き付けて七色に光るLEDランプシェードが完成
前田さんご夫婦「すだちくんが回したこの機械は、明治に使っていたものを再現したもので、
昔の人はこうやって繭から絹糸をとってたんだよ」
すだちくん「ぐるぐる回したら糸が出てきて、面白いじょ
繭の個数によって、糸の太さも変えてたんですだちね♪
ランプシェードも幻想的で、とってもキレイじょ」
前田さんご夫婦「ここに来てくれるお客さんは家族連れが多いんだけど、お子さんもすだちくんと同じよう
に『面白い』って目をキラキラさせながら体験してくれるよ。」
すだちくん「ふむふむ。
なかなかこんな体験をすることができないから、大人でも楽しいと思うじょ
ところで、いつこの記念館を開設したですだちか」
前田さんご夫婦「平成15年ぐらいから、少しずつ記念館を始めたんだよ。」
すだちくん「すごいもう20年近くやってるですだちね!
何かきっかけとか、あったですだち」
前田さんご夫婦「そうだね~
もともとおじいさんが養蚕業をしていたから、お蚕さんがとても身近な存在だったんだ。
自分も跡を継いでやってたんだけど、昭和の終わり頃から養蚕業だけでは生活していく
のが難しくなったから、別の仕事をしながら養蚕業の方も続けてたよ。
でも、周りの養蚕業をしている家がだんだん減っていることがすごく残念だったんだ
お蚕さんが忘れられていく中で、私たちは、お蚕さんが大好きで愛着もあったから、
使っていた道具や機械を集めて、それらを見てもらうことで『文化や技術を絶やしたくな
い』っていう想いがあったんだよ。」
すだちくん「すごい本当にお蚕さんのことが大好きなんですだちね
」
前田さんご夫婦「それにね、わたしたちの想いに賛同してくれる方達もいて、『お蚕さん飼うのを止めてた
けど、また始めてみようかな』って2軒の養蚕農家が再開してくれたんだよ。
『作ってくれた繭を活かしたい』そして『みんなに体験してもらいたい』っていう想いから、
さっき、すだちくんに体験してもらったランプシェード体験を始めたよ。」
すだちくん「なるほどランプシェード体験にも、そんな想いが込められてたんだぁ!」
前田さんご夫婦「そうなんだよ
あとお蚕さんの一生はね、『糸になる』と『子孫を残す』っていう2つに分けられるんだよ。
卵から孵化(ふか)して1ヶ月ぐらいで繭になるんだけど、『糸になるお蚕さん』も糸をとる
時に繭を乾燥させるから、中のさなぎは死んじゃうんだ。
『子孫を残すお蚕さん』も、繭になってから1週間~10日ぐらいで繭から出てくるんだけ
ど、交尾して卵を産んだ後に死んでしまうから儚い(はかない)一生なんだよ。
でも、その卵が孵化して、また『お蚕さん』『繭』になる循環を何千年も繰り返してるのが
すごいなって思うよね」
すだちくん「すごいじょ!
昔の人からずっと受け継がれてきたことが分かって、なんだか心がじーんとするです
だち」
前田さんご夫婦「すだちくん、そうなんだよ!歴史の重みを感じるし、感動するよね」
繭で作ったお人形を持たせてもらったじょ! 絹糸を機織り(はたおり)して完成した帯もあるじょ!
すだちくん「うんうん
ぜひ色んな人がここに来て、お蚕さんのことをもっと知ってもらいたいじょ!
ここに来てくれるお客さんは、どこから来てくれる人が多いですだちか」
前田さんご夫婦「今はコロナの影響で休館してるんだけど、コロナ前は県外から来てくれることが多かっ
たな。開館してから約4000人の人が来てくれたよ!」
すだちくん「なるほど!これからの目標を教えてほしいですだち」
前田さんご夫婦「やっぱりたくさんの人に、ここに来てもらいたいな
数千年の歴史がある絹について、記念館で展示物を見てもらったり、
ランプシェード体験をしてもらって知ってほしいと思ってるよ。
それに美馬の観光スポットの1つにもなればいいなと思って活動しているよ」
すだちくん「ボクも今日はたくさん勉強になったじょ
これからも応援しているですだち」
美馬蚕糸記念館前で前田さんご夫婦と記念撮影
※美馬蚕糸記念館は、現在休館中です。詳細については、美馬蚕糸記念館にお問い合わせください。
電話:0883-63-2502(営業時間10:00~17:00)