　昭和２０年（１９４５）７月２８日の艦載機による機銃掃射を目撃した人々の証言第8弾です。

　松江の様子を紹介してきましたが、安来市南部で機銃掃射を受けた証言も残されています。

　今回は、北部の沿岸の様子についてです。

　『広島原爆の思い出』伯太町被爆者協議会 H6.10刊には伯太町の名和川修さんの証言が掲載されています。

⑨ 安来市宇賀荘地区の様子〔南小学校附近〕【伯太町母里の名和川修さんの体験】
　広島工兵隊への召集令状を受け、これまで働いていた事務所にお別れのあいさつをして歩いて帰る途中、宇賀荘村野方から折坂の県道を大塚方面に向かっている時のことでした。
　双胴のロッキードP38偵察機が、清水寺の三重塔の上空を社日山方面へ飛んでいるのが遠くに見えました。
　こちらの方へ飛んで来ることはないだろうと考え、炎天下の道を一人で歩いていました。

　ところが、私の後ろ側からスゥーッとかすかな音と同時に、

「ピシッピシッ」

という銃弾の音がしたのです。

　私は、道端にあった作業小屋へ思わず飛びこみました。
　頭をあげると、怪物のように大きい飛行機が目の前いっぱいに見えました。

　アメリカ兵が真っ白なマフラーをなびかせ、私をじっと見ながらニタッと笑っている姿が見えました。

　敵の飛行機が遠ざかるのを確認し、銃弾がうち込まれた場所を見ると、私が歩いていた場所からわずか10センチしか離れていなかったのです。
【写真　証言者の名和川修さん】

私たちのふるさと島根に空襲があった日⑧～1945年7月28日の記憶