　昭和２０年（１９４５）７月２８日の艦載機による機銃掃射を目撃した人々の証言第2弾です。

『大社町立大社小学校九十年史』編纂委員会 S40.9刊「在職中の思い出」から、大社東国民学校の山根校長先生の証言です。

③出雲大社附近の様子【大社町東国民学校山根徳右衛門校長先生の体験】
　その頃は、女の子も鉢巻をして男の子と共に軍歌を歌って登校していました。

　稲佐の浜での塩づくり、鷺浦まで徒歩で往復して薪や炭材運び、校庭にいくつか防空壕を掘る作業など、勉強どころではありませんでした。
　その日、私は用事があり少しの時間家へ帰っていた際、突然空襲警報が発令されたので、急いで学校へ向かいました。

　松源寺山まで来た時、グラマンが2～3機で機銃掃射をしました。びっくりして思わず墓地に身をひそめました。

　次の証言は、『結成20周年記念文集　世紀を超えて』塩冶クラブ H12.12刊に掲載されている塩冶・中天神の加藤泰男さんの証言です。大社基地近くで作業中に、大社基地を攻撃する様子を目撃していらっしゃいます。

④出雲市・大社基地近くの様子【塩冶・中天神の加藤泰男さんの体験】

　昭和２０年７月２８日、夏の暑い昼下がりのことでした。

　当時、私は今市農業学校の１年生でした。学校の授業はほとんどなく、学徒動員で勤労奉仕の毎日でした。

　この日は、出西村の新川廃川地で土木作業でした。東の仏経山の上空に大型１機、小型４～５機の飛行機が飛んでいるのを見ながら、スコップを踏み込んだ時、ダダダ…という音がしました。

　途端にだれかが、「伏せろ、空襲だ!」との声でみんな地面に伏せました。
　私は、近くのトマト畑の間に身を伏せました。機銃掃射の様子を見ようと、トマトの枝の間からのぞくと、ヒュッ、ヒュッ、ヒュ…と突きさすような音で弾が飛んできます。
　西の方から飛んできた飛行機は、斐伊川の堤防の２～３０m上空で機関銃を撃ちながら東の方へ飛んでいきます。

　西から機銃掃射して通過すると、東でターンして、それを２～３回繰り返しました。

　大社基地を目標にした攻撃でしたが、敵機に応戦する日本機が飛び立つのを待っていましたが、それはありませんでした。
　やがて、爆音は遠ざかり、敵機は東の方へ飛んでいきました。長い時間に感じましたが、１０分くらいであったでしょうか。

　２～３mの近くに弾が砂を刺すようにピュッともぐるのを見たという友達もいました。
　この日、大社基地を攻撃した敵の飛行機は、上塩冶上空から大社基地の滑走路をめがけて機銃掃射を繰り返したようです。

　大社基地を攻撃した後、大社方面に去った飛行機もあり、大社上空を旋回して攻撃しているのが見えたということです。

【写真：『旧海軍大社基地主滑走路・斐伊川を望む』出雲弥生の森博物館所蔵】

私たちのふるさと島根に空襲があった日②～1945年7月28日の記憶～