　2023年12月17日(日)に開催の「第9回大社基地講座」に参加しました。
　今回の講座の一番の関心事は、鬼村吉郎さんの銃後体験のお話を聞くことでした。
　しかし、身体の調子を崩され、当日はご欠席で残念。
　過去に鬼村さんが出演されたケーブルテレビの放映と、二つの体験手記「回覧板の思い出」と「銀河が燃えた　あの日のこと」の代読発表がありました。
　放映されたケーブルテレビ番組の中で、鬼村さんは大切な事実を語られました。
「当時、国民学校の生徒だった私たちも、大社基地建設のために草引き作業に出ました。級長だった私は、先生から「みんなが奉仕作業にどんな気持ちをもっているか確認するように」という指示があり、クラス全員に話を聞きました。
　ほとんどの子ども達は、「この戦争に勝つためにがんばって作業をする」というものでした。そして10人くらいは、「作業よりも勉強がしたい。」と答えたそうです。
　しかし、ある一人の友達は、「絶対にこのことは内緒」という約束のもとに、
「私たちが引こうとしている草は、何にも悪いことはしていない。草引きをすれば滑走路が完成し、戦争になる。私は戦争は絶対に嫌だ。」と語ったそうです。
　誰にも言えない本当の気持ちを伝えた友達。
　この気持ちは、もっと多くの子ども達の本当の気持ちであったろうと思います。
　当時の国民学校の教育は、少国民として戦争遂行に協力していく人間を徹底的に育成することを目的としていました。その教育により、「お国のために」として国民の犠牲が生まれたのです。
3つの発表報告と参加者による質疑応答から、私たちの会の役割の大きさを再確認する機会になりました。
【▼『わたしは軍国少年だった』表紙より】

つくられた少国民としての決意