私たちは、子どもに力を付けようと日々の教育活動を行っています。この時に大事にしたいのが、学習の4つの段階です。
 
 若い頃は、何を教えたらよいかということを知り、それを子どもに与えるだけで精一杯の時期がありました。次第にそれだけではいけないと感じるようになりました。

 それは、教えられたとしても子どもの力になっていないことがあることに気づいたからです。

 教えても、力を付けていなければ、教えたことにはなりません。

つまり、学習の成立は、教えられた側次第だということです。

 教えられる側の子どもをよく理解しないと、効果的に教えることはできません。ですから、常に子どもの反応を知ることが重要になります。

 学習は車の運転ができるまでの過程と同じです。

1 知らないからできない段階(無意識的無能)
  運転の仕方を知らないから運転できない。
2 知っていてもできない段階(意識的無能)
  運転の仕方を知っていても運転できない。失敗をし続ける。
3 意識すればできる段階  (意識的有能)
  習ったことを意識して運転すれば、運転できる。
4 意識しなくてもできる段階(無意識的有能)
  意識しなくても運転できる。
 これらの段階を引き上げるには、インパクト(強い衝撃)と繰り返しが必要です。

 学校での多くの時間は、1の段階から2の段階に引き上げることに費やしています。2の段階から3の段階に引き上げるために、宿題を出し、学習の補充を家庭にお願いしているのが現状です。

 子ども自身が自ら学習を進められるようにすれば、子どもなりに時間を見つけて学習の時間を作ることになります。

 しかし、現実的には、宿題だからしなければならないという思いで学習に取り組む子どもたちが多いと思います。

 これは、自習の仕方についての仕方が身に付いていないから自習ができないと考えた方がよいでしょう。

 宿題のように言われたことしかしないという学習に慣れているため、自習ができないのです。

 自習ができる子どもに育てるにもやはりこの学習の4つの段階が必要になります。

 1 自習の仕方を教える段階
  時間の使い方、めあての立て方、点検の仕方、ノートの使い方、
  学習したことの活かし方、参考図書の利用の仕方 等
  かなり教えることがたくさんあります。
 
 2 自習の仕方に慣れる段階
  教えてもらってもできない段階ですから、繰り返しが必要です。
  少しでも自ら取り組めば○ということもあります。
  何を使って学習したのかを見直すこともあります。
  取り組み方を褒めて、充実感を味わわせることもあります。
  繰り返しこれらを行います。
 
 3 意識すれば自習ができる段階
  自習の時間を設定して取り組めばできる段階になります。
  学習することのおもしろさやたのしさを実感することが増えれば、
  学習嫌いにはなりません。繰り返し自習を行いながら、価値を見い
  出すことができる段階です。どんどん褒めて意識すればできる自分
  に気づかせる必要があります。

 4 意識しなくてもできる段階
  学習する機会が必要だと思わせるような取り組みを用意することが、
  自ら進んで学習する機会を作ることになります。
  やり方はすでに身に付いているので、意識しなくても自分らしい自
  習ができます。機会を作るように促すことが教師として重要なはた
  らきかけになります。

 常に子どもが学習の4つの段階を経て、身につけていくと考えると、私たちはもっと子どもたちに教えることがあることにびっくりします。

 子どもたちも求めているものです。教師がまず、この4つの学習の段階を意識し、日々の子どもをじっくりと観察し、今目の前にいる子は、~について今どの段階にいるのかをじっくりと眺める必要があります。