今、「実用化」というものを見て、産業振興の観点から、行政で研究開発を支援する仕事をしています。
そこにいて思うことは、「これは無駄だ」ということです。
勿論、すべてのことが無駄だとは思いませんが、非常に無駄だ多いということです。
これは、なぜでしょうか。
まず、この仕事が投資、ネットワーキング、プロジェクトマネジメントなる。これらの一つ一つを見ていきたい。
<投資>
1、実用化はマーケットに商品を出すということであり、どのマーケットが有望かは、その会社 しかわからない。それを外したら、会社はつぶれればいい。
2、産業面での実用化であれば儲かる。よって、行政が支援する必要はない。
3、儲からないのは、研究開発ではなく、ビジネスモデルや会社の体制が問題。
4、予算制であるため、○●省の一元的判断や政治的な影響、税金原資という限界のため、継続 的投資を行えない。
5、日本は金余りであるため、民間に資金がないわけではない。
6、生産体制や販路面では、大企業が圧倒的に有利だが、補助金はバイアウトを阻害する可能性 がある。
<ネットワーキング>
7、ネットワーキングで効果をあげられるなら、ビジネスになる。むしろ、ネットワーキングす べき場所に金と人がないことが問題。
8、大学と企業が直接結びついた方が早い。(支援機関は不要。これは大学の研究費がほとんど 税金になっていることに問題がある。特に工学部。理学は実学ではないため、国で保護して よい。)
9、インターネットによって、情報流通コストが激減した現代において、やり方を把握しておけ ば、スタートアップのマーケッティングは可能。その後も、バイアウトで可能。
<プロジェクトマネジメント>
10、社内の意思決定に影響を与えるように働きかける場合もあるが、情報を持っていない行政 が口を出しても良い結果は得られない。(これを直すには、企業の内部意思決定様式を変 更する必要があり、コンサルするほうが、企業としてよい。)
11、今や、国家目標を皆で共通して持つ時代は終焉した。そのため、利害対立が大きくなる。 ナショナルプロジェクトは有効に機能しない。
12、税金のため、資金を素早く供給することが困難。
13、税金原資→行政的→民主主義的意思決定のため、計画変更に時間がかかる。
14、マネジメントのコツは、マネジメントコストを減らすことであるが、コスト感覚がないた め、高マネジメント費を発生させており、国として無駄である。
これらのため、全くの無駄なのである。
一方、有益なことも多少ある。
1、エネルギーや資源のような国際変動を受けやすいものは、投資が向かず、セキュリティー面 においても重要であるため意味はある。ただし、固定価格買い取り(FIT)であれば、意 味は薄い。(FITも変動するが。)
2、マーケットが明確にない、大規模化していないものについて、供給力を上げる意味での支援 はあり。ただし、実用化は適切なタイミングでビジネスにする必要があるため、ずっと先の 産業振興になる。また、人材の流動性を考えると、その時の技術投資で技術を養った人材や 組織が将来の実用近傍にいるとは限らないため、効率は薄い。人材育成と捉えて行うほうが 良い。また、この段階であると、皆で協力する意味も薄い。ただし、いわゆる「現場技術」 の更新には有益。
3、航空機のような大規模かつ、マーケットが判明しており、さらに供給力が足りておらず、競 争劣位にある状況では、意味を成す。ただし、競争劣位環境で、産業振興として行う必要が
あるのかは不明。(他国へ行けばいいのではという発想。)
4、エネルギーや資源など、最もベースとなるものについては、セキュリティー上その技術力を 高めておくのは、これらの輸入が多い日本において重要。
以上。