プロ野球の一流バッターが「打ち損じる球筋」について、
良くこんな話をしています。
▽インタビュアー:
「今年もホームランを量産しましたけど、松井選手が打ち損じる
球って、どんな球筋ですか?
企業秘密だから教えてもらえないのかもしれませんけど、
差し障りのない程度に教えて下さい。」
▲松井:
「そうですね、企業秘密と言っても、自分の得意なコースや苦手な球種って
のは、大体相手ピッチャーにもバレテますからね。」
▽インタビュアー:
「そういうものですか?」
▲松井:
「ハイ、大体ピッチャーとバッターってのは、
何度も対戦した相手だと、お互いの得手、不得手は分かっているものです。」
▽インタビュアー:「ところで、松井選手が良く『しまった、打ち損じた』って
地団太を踏むような球ってどんな球種、コースなんですか?」
▲松井:「ウウウン、球種やコースと言うより、
その時『自分が得意としていて、好きなコース、球種』にドンピシャ来た!
と思った瞬間は、打ち損じることが結構多いですね。」
▽インタビュアー:「??? エエッ?? 大得意なコースと球種に来たら、
スカーンとホームランじゃないんですか?」
▲松井:
「はあ、それが意外と違うんですよ。正確に言えば
『大得意のすぐそばに微妙に違う球が来た時は』ダメなことの方が多いですね。」
▽インタビュアー:「エエッ!! そうなんですか!! 意外ですね!
でもなんで、大得意のそばの球を打ち損じることが多いんでしょうか?」
▲松井:
「それは、一瞬でも『来た!もらった!』と頭と体が反応して
妙な所に力が入って力んじゃうんでしょうね・・・
そう、自然体じゃない。無理がある・・・
その上、「ドンピシャだと思っていたら、微妙にボール半分くらい
コースがズレテルとか、変化の仕方が違ったとか・・・
得意のそば、や得意球ってのは要注意ですね。
むしろ、追い込まれていて、苦手なコース、球種が来た時の方が、
うまく打てたりするんで、不思議なものですよね。」
こんなイメージの会話だ。
◆これは、私たちの仕事や、人間関係などにもそのまま「言えてる」ことですね。
例えば、仕事の種類としてあなたが大得意で好きな分野を担当させられた時・・
「やった! 任せとけ! 俺の大得意な、おご馳走だぜ!
可愛い彼女に良いとこ見せたろ!」
なんて思った瞬間に、大きな落とし穴に、ズッポリはまりがちかもしれません。
「得意だ!」と思った時は、仕事でも、日常生活でも「いつもより変な所に力が入ったり(周りから浮いちゃいます)、逆に「楽勝だぜ、、」と油断、慢心して
思いもしないミス、ポカをしがちですね。
「得意だ!」と思ったら、一歩引いて、冷静になり「全体と自分を客観的に観つめる第三の目」が必要ですね。