【コタキナバル(マレーシア東部)=辻本貴啓】日本政府は23日午後、環太平洋経済連携協定(TPP)交渉に正式参加した。

 米国の承認手続きが同日正午(日本時間午後1時)に終了したことを受け、鶴岡公二首席交渉官が当地で開催中の会合で、交渉内容を漏らさないことを定めた守秘契約に署名した。

 これにより、交渉団は、過去の交渉内容や条文案を記したテキスト(文書)を閲覧できる。数千ページに及ぶ内容の分析に着手し、分野別交渉に参加する。また、首席交渉官会合のほか、著作権保護や模倣品の取り締まりを議論する「知的財産」など五つの分野に関する作業部会が参加する。

 今回の会合では各国の関心が高い農産物や工業品の関税自由化を巡る議論は終了している。このため日本は、8月下旬に開かれる次回会合までに、コメなど日本が重要項目とする分野の保護と、工業品などの関税自由化を実現するための具体的な交渉戦略を練る。