催眠誘導を行うさいに、被催眠者と催眠誘導者との間には信頼関係がなくてはなりません。この信頼関係をラポールといいます。
 そのラポールを構築するためのテクニックや心理学的テクニックを紹介しましょう。

1.呼吸を合わせる
 相手が息を吸っている時には、自分も吸う。
 相手が息をはいている時には、自分もはく。
 相手が話をしている時は、息をはいている時です。自分も息をはきます。
 だだ、それだけです。
 本当に、これだけで、なんとなく親密な雰囲気になれます。

2.真似をする
 相手の真似をすることです。
 相手が手をポケットに入れたら、自分も入れる。
 相手が、笑ったら自分も笑う。
 相手が、右を向いたら自分も右を向く。
 それだけで、親近感が増します。
 ただし、初対面の相手に、露骨にそれをやると、バカにするのかと怒り出す危険がありますのでご注意を(笑)。


3.接触
 ボディタッチのことです。握手や肩・腕などに軽く触ることです。
 欧米人たちは、抱き合って挨拶をしますが、日本人はそういうことが苦手です。
 しかし握手ならできますね。握手をするだけで、「仲間意識」が芽生えます。政治家が握手を欠かさないのはこのためです。
 こんな実験があります。次の二つのグループで、相手の印象にどのような違いがでるか調べてみました。
 ①目隠しをして、握手をするだけで会話はしない
 ②目隠しをして、握手をせずに会話だけする
 「温かい」「信頼できる」という印象を持ったのは、①の方です。

4.会う回数を増やす
 心理学では、単純接触の原理といわれているものです。最初はなんとも思わなくても、くり返し会っていると好きになってくるというものです。
 ただ、会う回数を増やせばいいだけです。
 ただし、第一印象が悪いと、この原理は作用しません。