敵であるとも思えるほど嫌いな相手がいるのなら、
その相手に怒り、憎しみの心を向けることは、結果、
自分がその相手に支配されている事に他ならないのです。
例えば相手への怒りや憎しみの感情は、日夜、私たちを
苦しめ、イライラや心労からの疲れなどの不快な感覚を
もたらし、貴重な時間さえも浪費させます。
さらには憎悪のあまりに思考は止まらず、眠ることも
ままならなく寝不足となり、血圧をあげ、胃はキリキリと
痛み出してくることも珍しくありません。
そうして、精力を使い果たし、容姿も衰え、神経質
になり、関係のない事柄や人生全てが不快に感じさせられ、
ひどくは体調不良にすらなることもあるのです。
このような労力と時間と時には命がけで、その憎むべき
相手に対してありったけの憎悪の念を私たちが向けている
にも関わらず。
実際にそのことがもたらしてくれる効果と言えば、
その憎むべき相手は、一向に傷つく気配すら感じられ
ないばかりか、以前にもまして、イキイキと、のうのうと
暮らしているくらいです。
平素から、その相手には散々に不快な想いをさせられて
いるにもかかわらず、これではさらに地獄の苦しみの
上塗りを、自らが手助けして、相手をますます喜ばせて
あげているに他ならないのです。
相手が憎ければ憎いほど、嫌いなほど、私たちはその相手に
決して支配されてはいけないのです。
汝の(憎い)隣人を愛せなくとも、せめて、自分の身体と
自分の人生を愛し守ろうではありませんか。