前回の餌食になった方にまた出会いました。内容は毎回同じ。
前回に書き忘れてましたが、この業者は調律やピアノの移動する前に下見と称して、獲物の物色に来ます。
今回のお客さんはやはり広告を見てピアノの移動を頼まれたそうです。そうするとピアノ搬出の下見と言って調律師が来たそうです。
そして毎回同じ…「このピアノとこんな所で出逢えるなんて!!」感動の再会を思わせる事を言い、ピアノとお客さんに親しみを持たせます。
ちなみに今回のお客さんのピアノは国産のピアノですが、一般の人はほとんどご存知ないメーカーです。日本の国産メーカーでは10位には入ってくるメーカーです。国内ではヤマハとカワイがほとんどのシェアを占め、それ以外のメーカー(我々の世界ではガチャ物と言います)が1割くらいかな。
すなわちどこにでもあるピアノと言う事です。それをやはり外国製と言われたそうです。名前だけ見ると外国製っぽい名前なのです。
そして搬出の下見と言いながら、ついでにとピアノの中身の点検をし、前回のような詐欺を働いていくのです。しかもこのお客さんの所では来た調律師が「搬出の下見で来たけど私だからピアノの点検もできる。私が来て良かった」と最初から狙い通りなのに、いかにも偶然を装います。
僕はピアノの運搬もやっていました。だからこの茶番劇がいかにでたらめかがよく分かる。そもそも運搬の下見なんてよほどでない限り行いません。しかも搬出先で。よくピアノ運送屋時代に下見に行ったのはほとんど搬入する際の下見です。搬出先ということはそこにピアノが入っている、ピアノが過去に搬入されたということです。単純に入れれたから出せるということです。
この下見も運搬のプロしか判断できません。長い事ピアノ運送をしていた僕でも判断できない事の方が多い。恐らくこの調律師も最初からそんなつもりはないのでしょう。判断できないと分かると適当な事を言うのでしょう。

これがピアノのアクションです。
裏を見るとありました

お客さんの名前を晒す事になってしまうので、本当は名字も書いてありましたが、僕が消しました。
ピアノ本体を持って行く時もあり、その場合は内部のフレームにサインさせてます。
このアクションが間違いなくお客さんの物であるという証明らしい。しかしこのアクションは仮に全く同じピアノがあったとして、アクションを互いに交換してもちゃんと音は鳴りません。アクションはピアノに取り付くのは取り付くでしょうが、一から調整をやり直す必要があります。ピアノが同じでも微妙に寸法が異なるのでそのピアノに合わせて調整されたアクションという訳です。
調律師人生を十数年、前日これまでにない位の修理代の預かりをしました。修理代だけで12万円です。色々な大きな修理が重なり、金額も増えました。勿論修理箇所の部品を全て取り替えるのですが、それでも心苦しいです。だって元々は調律だけで頼まれたのに、いざ来てみれば12万円って。だからまず必要な所だけと提案もしたのですが、お客さんから「この際なのでいっその事」という事でした。ありがたい事ですが、謝り倒しましたよ。預かったのはアクションと鍵盤です。もちろんサインなんか書いてもらってないですよ。
こんな気持ちにはならんのだろうな。