ぴあのまん -25ページ目

ぴあのまん

とあるぴあのまんの日々の奮闘記です。

4月最後の仕事は久しぶりの船旅です船
とは言うものの乗船時間は25分。わずかながらのクルージングです。

気仙沼湾の沖合いにある大島に行きました。この島も震災の時は津波にめちゃくちゃにされた所です。

フェリーに車も乗れるのですが、船代をお客さんに頂く事になっているので車は船着き場の駐車場に停め、道具や鞄をぶら下げて体一つで行きました。

韓国で若い子たちが船の事故でたくさん犠牲になり、心が痛みます。あの震災時には韓国や米国がこの気仙沼にも大勢助けに来てくれました。こんな時には真っ先に日本に助けを求めてくれたら良かったのに。人の命に国境もなければ、政治や国の面子なんかどうでもいい事です。傲慢かもしれないけどもしかしたら助かった学生もいるのではないかな。



あいにく朝から雨です雨
少し視線を変えると


まだ被災地はそのまんまです。



船上から見た気仙沼の港
よ~そろ~
以前にお預かりした鍵盤の修理を仙台に持って来て行います。


これが外した鍵盤



フェルトが虫に食われてボロボロハチ

これは裏側。一見フェルトは残っているように見えますが、表面は全部食べられてます。

これを剥がし、新しいフェルトを貼っていきます。












はい、しゅ~りょ~合格
途中経過は飛ばしました。毎日少しずつコツコツと直す事1週間。
超が付くほど面倒な修理。ようやく終わりました。これから鍵盤1本づつ磨きをかけていきます。高額な修理なのでこれくらいサービスしないとね晴れ

ピアノに付く虫は家庭のタンスに付く虫と同じです。冬物のセーターなんかに穴を空けるあいつです。

昨日のお客さんが昆虫の研究をされていて、詳しく教えていただきました。

ヒメマルカツオブシ虫と言い、動物のタンパク質を狙うのだそうです。蝶々やトンボの羽根なんかも食べちゃうらしい。

ピアノのフェルト類も羊毛で作られているので、絶好の餌になるそうです。

成虫は匂いを頼りに、こういったフェルトのそばに卵を産むのです。そしてその幼虫がフェルトやセーターをムシャムシャナイフとフォーク

だから市販されているナフタリン系の防虫剤はヒメマルカツオブシ虫の嫌がる匂いを出しているのです。



ピアノの防虫剤もあるんですよ♪
720キロ走り仙台に到着しました。



桜前線に追いつきました。ちょっぴり寒いですが桜が満開ですさくらんぼ

寝ずに夜通し走ったのでむっちゃしんどドクロ

前回で調律の詐欺は一通り終わりです。また新しい手口が出てきた時にはまた晒しますよ。振り込み詐欺と同様で次から次へと手を変え品を変えて生き延びていくんですよ。

さて今回は


このピアノ

一見すると普通のピアノ。木目でまだ新しいです。


アクションや弦も綺麗です。



どこのメーカーでしょうか。洋物っぽい

と、一般の人は思うでしょう。僕たちはピアノを見た瞬間に分かる。
はいキター!!

これが紛れもなく中国製のピアノです。
あのピ○ノ百貨が売り付けているんです。読み方もよくわからないですよね。
我々はニーマイヤーって呼んでます。





中身の作りの雑な事・・・ まるで蒲鉾板を張り合わせてあるようです。



底の板もそのまま貼ってあるだけ。角の面取りもされてないので指を切らないように注意が必要。板の表面もそのままなのでトゲもよく刺さるんです。



穴が空いてる…ガーン



こんな何でもない切り込みも雑~い。
小学校の工作レベルです。

東名高速の名古屋インターの所に店があります。以前はこれを外国製と言い、国産のピアノは調律が狂ったままにして、このピアノを大量に売っています。国産ピアノよりも利益率が良いのです。

以前に中国製のピアノを仕入れた事がありました。黒のピアノと赤の木目ピアノを買い付けました。2台分の料金と船便の輸送費混みで15万円でした。多分こういう業者は大量に仕入れるのでもっと安く仕入れているのでしょう。

我々が仕入れたのは3ヵ月もすればあちこちガタがきてました。35万円で展示しましたよ。来るお客さんには仕入れ値こそ言いませんが、正直に言いました。「それでも音が気に入れば考えてもらってもいい」

結局誰も買われません。と言うより僕もこんなピアノ売る気がないので、珍品として紹介する位でした。



鋳物も何か変…

前回の餌食になった方にまた出会いました。内容は毎回同じ。

前回に書き忘れてましたが、この業者は調律やピアノの移動する前に下見と称して、獲物の物色に来ます。

今回のお客さんはやはり広告を見てピアノの移動を頼まれたそうです。そうするとピアノ搬出の下見と言って調律師が来たそうです。

そして毎回同じ…「このピアノとこんな所で出逢えるなんて!!」感動の再会を思わせる事を言い、ピアノとお客さんに親しみを持たせます。

ちなみに今回のお客さんのピアノは国産のピアノですが、一般の人はほとんどご存知ないメーカーです。日本の国産メーカーでは10位には入ってくるメーカーです。国内ではヤマハとカワイがほとんどのシェアを占め、それ以外のメーカー(我々の世界ではガチャ物と言います)が1割くらいかな。

すなわちどこにでもあるピアノと言う事です。それをやはり外国製と言われたそうです。名前だけ見ると外国製っぽい名前なのです。

そして搬出の下見と言いながら、ついでにとピアノの中身の点検をし、前回のような詐欺を働いていくのです。しかもこのお客さんの所では来た調律師が「搬出の下見で来たけど私だからピアノの点検もできる。私が来て良かった」と最初から狙い通りなのに、いかにも偶然を装います。

僕はピアノの運搬もやっていました。だからこの茶番劇がいかにでたらめかがよく分かる。そもそも運搬の下見なんてよほどでない限り行いません。しかも搬出先で。よくピアノ運送屋時代に下見に行ったのはほとんど搬入する際の下見です。搬出先ということはそこにピアノが入っている、ピアノが過去に搬入されたということです。単純に入れれたから出せるということです。

この下見も運搬のプロしか判断できません。長い事ピアノ運送をしていた僕でも判断できない事の方が多い。恐らくこの調律師も最初からそんなつもりはないのでしょう。判断できないと分かると適当な事を言うのでしょう。



これがピアノのアクションです。

裏を見るとありました


お客さんの名前を晒す事になってしまうので、本当は名字も書いてありましたが、僕が消しました。

ピアノ本体を持って行く時もあり、その場合は内部のフレームにサインさせてます。

このアクションが間違いなくお客さんの物であるという証明らしい。しかしこのアクションは仮に全く同じピアノがあったとして、アクションを互いに交換してもちゃんと音は鳴りません。アクションはピアノに取り付くのは取り付くでしょうが、一から調整をやり直す必要があります。ピアノが同じでも微妙に寸法が異なるのでそのピアノに合わせて調整されたアクションという訳です。


調律師人生を十数年、前日これまでにない位の修理代の預かりをしました。修理代だけで12万円です。色々な大きな修理が重なり、金額も増えました。勿論修理箇所の部品を全て取り替えるのですが、それでも心苦しいです。だって元々は調律だけで頼まれたのに、いざ来てみれば12万円って。だからまず必要な所だけと提案もしたのですが、お客さんから「この際なのでいっその事」という事でした。ありがたい事ですが、謝り倒しましたよ。預かったのはアクションと鍵盤です。もちろんサインなんか書いてもらってないですよ。

こんな気持ちにはならんのだろうな。