
東北に住んでいながら東日本の新幹線は一度も乗った事がありません。そんな中、あまり縁のない九州新幹線には今年のお正月に乗る機会がありました。

次の停車駅は仙台だってさ

と言う新幹線の事ではなく…

はいこちら

ピアノの調律記録カードです。最後に調律したのが昭和38年

まだ新幹線もオリンピックも行われていません。
当然音はメチャクチャ

ドの鍵盤を押さえるとシより少し低い音が出る

これを90分くらいで一気に半音以上上げる訳です。このような古いピアノなので断線する恐れもあります。
普通のピアノと同じように調律しても音は合いません。このような場合は2回調律します。
1回目で一気に全ての弦を引っ張り上げます。1回目が終わり、最初の音に戻るともう既に音程が下がっているので、その分を見越して引っ張り上げる訳です。
半音以上下がっているという事は、真ん中のドの音で10Hz以上下がっているという事です。
それを1回目で本来の音よりも4~5Hzくらい高く上げます。そして2回目の調律で、これでもかと言うくらい鍵盤を叩き、正しい音程にはめ込んでいくような感じです。
重要なのは1回目でどれくらい見越せるか。これは理屈ではなく、経験と勘、ピアノ全体のバランス。弦を引っ張り上げるために回すピンのトルク(固さ)まぁその他にも色々あるんですが、それぞれのピアノによって判断する訳です。
これが狂っていれば狂っている程、狙う的が小さくなる

今回は見事にいい具合にはまりました。そんな訳で先月の仕事のMVPになりました。
2回も調律するのは大変と思われがちですが、たくさん狂っている場合は案外2回調律する方が時間もかからず楽なんですよ。
調律後は劇的に音が変わります。そりゃだらだらに弛んでいた弦をビシっと張るので、ピンと背筋が伸びたような音になります。
お客さんはすごく喜んでくれるので、調律師冥利に尽きるんですが、ピアノにとってはよろしくない。
「綺麗になってよかったよかった♪」と喜んで、またしばらく調律しないと50年かけて下がった音程に今度は5、6年で戻っちゃいますよぉ。
このようなピアノの時は次回の調律は半年後です。ピアノは1年に1回は調律しましょうね。
…と仕事として言っていますが、僕の実家のピアノは5年くらい調律してません
