1993年13刷、よく読まれた本のようです。講談社現代新書・新書日本史②です。このシリーズは8冊もあるため頭から読んでは途中で挫折する恐れありと判断し、興味を持った巻から読むことにしています。先に③中世の開幕と④戦乱と一揆を読みました。従って3冊目となります。
本書では538年の仏教伝来に始まり奈良・平安両朝を経て武士の登場に至るおよそ530年が扱われています。ここでは日本を極東文化の「吹き溜まり」と定義づけ、大陸から様々な文物を受容してきた歴史に眼目を置いているのです。
国家体制形成のための律令制という「タテマエ」が古代日本の体質という「ホンネ」の中でどのような展開をしたか、実にユニークな視点からこの時代が論じられています。そしてその試みは成功しているといえると思います。何より読みやすく文章に破綻がないからです。また、それぞれの著者が一本筋の通った論点で歴史を解読しようと試みています。この新書日本史シリーズ、なかなか隅に置けません。
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