2012年5刷、先日ご紹介した土田直鎮先生の「王朝の貴族」(中公文庫)がこの本でも偉業として讃えられています。しかしさすがに昭和40年の出版でもあり最新の研究の動向はいかにと本書を繙いた次第です。
感想としては、「内容がみっちり詰まっている」というものでした。土田先生の本は平安朝中期(摂関期)を大掴みに理解させようと懇切丁寧に書かれた本ですが、本書は別の意味で懇切丁寧、平安朝中期の理解に役立つのならと様々なデータや学説をこれでもかと詰め込んでいるのです。それにしては構成が破綻しておらずじっくり読めば実に面白い概説書です。ただこれは腰をすえて読むべき本なのでしょう。個人的には「王朝の貴族」を先に読んでから取りかかる方が良いと思います。
「光る君へ」も佳境に入りつつある今、こういう本を読むことも意義あることでしょう。
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