テレビだけではない。新聞も雑誌も読ませない。インターネットも即刻禁止。繁華街も立ち入り禁止。子どもの眼には、一切触れさせるな。


「美しい国」も結構、「教育再生」も結構である。しかし、その実を挙げるためには、以上を決行するくらいの英断にたった政策をもって臨まなければ、とても無理だ。目標など到底達成できはすまい。


大体、この高度な情報化社会、子どもたちにはすべて筒抜けなのだ。大人たちのやっていること、社会の現実が。それで、何が「美しい国」だろう。


テレビはもちろんダメだが、とりわけ、ニュースや国会中継などもってのほかだ。美しさとはほど遠い男がまた醜悪きわまる集団の頭目となって、「美しい国」なんて叫んでいる。タテマエ上社会の指導的地位にある国会議員どもが路上で人妻とキスしたり、年金をちょろまかしたうえ国会でふてぶてしい居直りをしたり、賄賂を受け取るなど、ルール破りを率先してやっている。それで、務まっている。そんなものが、すべて見えてしまう。


経営者だって、インチキなのばかりが儲かっている。まじめに汗をたらして働くものは、ますます冷遇されている。先生はすぐに児童買春するし、女子高生のパンツを盗撮したりしている。


これで、教科書なんかいくら弄り回したってムダであろう。子どもたちには、バレバレなのだ。大体、子どもにとって教科書なんていう学用品がなんぼの影響力を持っていると思っているのか。教科書で“善導”しようなんて、何も知らん奴の考えることだろう。


現代は、「仰げば尊し」「三尺下がって師の影踏まず」の時代ではない。そんな虚構はきれいに滅び去ったのだ。また、虚構を復活させなければ、教育なんて再生しないだろう。それには、子どもから、現実を知らせる一切の情報を遮断しなければ無理だ。