会計士試験の財務諸表論(論文式)は


会計学(管理会計・財務会計・財務諸表論)計300点のうち


ほぼ100点前後(最近は増えてきた)の配点が来ます。


法規集が配布されるため、暗記した知識を吐き出すような問題は皆無です。


ではどのような問題が出されるかというと


まず、「仕訳の裏側の考え方問題」


例)A社は、当期に生じた売掛金100円が貸し倒れになったため、次のとおり仕訳した。


貸倒時

(借)売上 100 (貸)売掛金 100


 この仕訳の基礎には外貨換算会計における一取引基準に通底する考え方があるが、(1)その考え方を当期に生じた売掛金の貸倒と関連させて説明するとともに、(2)これとは異なる考え方にもとづく仕訳を示し、(3)その異なる考え方を売掛金の貸倒れと関連させて説明しなさい。

平成19年本試験改題


まずこの仕訳を見た瞬間に「あれ?貸倒損失じゃないの?」って思いますよね?


そうです(2)の答えは

(借)貸倒損失 100 (借)売掛金 100


です。あとはふたつの考え方をそれぞれ述べる。そんな問題です。


だから普段簿記の問題を解いているときでも仕訳の意味を考えながら勉強するのが効果的です。


次に、「理由を述べなさい問題」


資産は、「過去の取引または事象の結果として、報告主体が支配している経済的資源またはその同等物」として定義されうる。ここにいう「経済的資源」とは「キャッシュの獲得に貢献する便益の集合体」を意味している。この定義を前提として、資産負債法の下での繰延税金資産が貸借対照表に資産として計上される根拠を、当該繰延税金資産の評価と関連させて述べなさい。

平成18年本試験問題


理由を述べなさい問題は「~~~である。よって、結論」「結論、~~だから」みたいに書く。


上の問題に簡単に答えれば、資産負債法の繰延税金資産って税金減らせるじゃん?だからキャッシュアウトフローのマイナスという意味でキャッシュの獲得に貢献してるから資産じゃんということになる。


要はロジックを組んで、あとはそれに専門用語をのっけて固い文章で書く。


大事なのは知識のつながりと答案構成力。


ちなみに「理由を述べなさい問題」には「こうゆう会計処理したけどOK?ダメ?」みたいなバリエーション問題多数。


あと、「考え方を述べなさい問題」


キャッシュフロー計算書の計算問題に付随して


利息の支払額の表示区分については、営業活動によるキャッシュフローに含めない方法がある。その方法を明示した上で、基礎にある考え方を述べなさい。

平成19年本試験問題


簡単に答えると

受取利息&受取配当金→「投資CF」

支払利息&支払配当金→「財務CF」という方法。

(支払いを「財務CF」にすると、セットで受取を「投資CF」に表示せなかんので、ちょっと問題文とずれているように見えるが仕方ない)

利息の受け払いのCFをその発生原因となる活動の性格に基づいて、CF計算書の関連するとこに載せようぜという考え方。


会計処理方法や表示方法と関連してその裏側の考え方を答えさせる問題。仕訳の裏側問題と似ている。


その他多少のバリエーションはあるが、結局、会計処理とその裏の考え方を問う問題といえる。


なんか過去問参照しながら書いてて、勉強法がわかってきた気がする。


感謝!