引当金の設定要件


・将来の特定の費用または損失であること


・発生が当期以前の事象に起因していること


・発生の可能性が高いこと


・金額を合理的に見積もることができること


退職給付引当金はこのうち


将来の特定の費用または損失であること


・発生が当期以前の事象に起因していること


という要件を満たすかという問題がある。


「将来の特定の費用or損失」=財貨or用役の費消事実が将来において生ずる


だがしかし!


退職給付は従業員が提供した労働の対価としての賃金の後払い


だから退職給付引当金は会計上の性格でいえば引当金というより未払費用と解するのが適切。



「当期以前の事象に起因している」=将来における財貨or用役の飛翔の原因となる事象が当期以前においてすでに発生しているはず


だがしかし!


退職給付は大抵期首に予測して見積り、計上する。(だから予測が外れるため差異が出る)


すなわち、毎期の退職給付費用を予測給付債務に基づいて計算した場合、まだ発生していない部分を含むので、その退職給付引当金すべてが引当金に該当するとは解しがたい。


だから「当期以前の事象に起因」という要件を満たすには累積給付債務に基づいて計算すべき。




なんていいますか、骨組だけ抜いてまとめたつもりが、長々とした文章になってしまった。


とにかく理論は答案構成がキモ。問題の本質を見抜いて真正面からぶつかる構成ができればあとはそれに専門用語をのっけていくだけ。


いくらその問題に関する文章丸暗記したって問題の本質から外れていれば点はこない。


聞かれたことに素直に答える。王道かつ大切なこと。


つるぴこでした。