監督: レニー・アブラハムソン
キャスト: ブリー・ラーソン、ジェイコブ・トレンブレイ、ジョーン・アレン、ショーン・ブリジャース、トム・マッカムス、ウィリアム・H・メイシー

TOHOシネマズ府中で鑑賞。

※ネタバレ注意!



●満足度:90点



監禁された女と、その息子。
息子は、生まれてからずっとその「ルーム(部屋)」で過ごしており、それが彼の世界のすべてであった。
7年の歳月を経て、遂に脱出を成功させる!?

というお話かと思いきや、脱出劇はメインではない。
脱出してからのお話が、ジックリ描かれている。

しかし、脱出時の緊迫感充分。
少なくとも子供を虐待するほどの外道ではないし、話も通じるという事は分かるが、犯人がどれだけ残虐なのか観客にはわからない。見つかったらただで済む保証はない。子供を使って、脱出を試みた母はある意味で冷酷に見える。

犯人が、そんなに警戒心が高くないせいもあり、なんとか脱出に成功。
そこから、警察がキレッキレで、優秀なのもホッとした。
これが、監禁モノのスリラーであれば、無能な警察のせいで、あの部屋に逆戻りであっただろう。

何とか脱出してからは、二人の見えている世界と、二人にとっての「ルーム」の対比が描かれる。

母にとっての外の世界は、常識の世界。彼女は、7年間を失い。その生活の中で子を産んだ。子供を拠り所にしていた負い目すらある。
そんなとんでもないハンディキャップを背負って、子供と生きていかなくてはならないという、強い気負いのため、手放しで喜んでなんかいられない。

子にとっての外の世界は、新しい世界。
すべてが脅威でもあると同時に、すべてが、新鮮である。
まだ彼は若く、順応はそう難しくはない。

母にとってのルームは監禁され、犯された忌まわしき場所。目をそらしたい。
子にとっては当たり前のように生まれ育った故郷。たまには帰りたい。

この二人のギャップをあえて、子供の視点から描く。
あらゆるものが新鮮に映し出されていく描写は圧巻。

二人が監禁生活にケリをつけるラストは、言い知れぬ感動が沸き上がる。
他に類を見ない映画であり、一分と漏らさずに、没頭できた。素晴らしい。