
監督: ジョナサン・レヴィン 脚本: ウィル・ライザー
出演:ジョセフ・ゴードン=レヴィット、セス・ローゲン、アナ・ケンドリック、
ブライス・ダラス・ハワード、アンジェリカ・ヒューストン
新宿武蔵野館で鑑賞。
●内容
ある日突然ガンになった青年。
目まぐるしく変化する生活。
変わらないのは図太い友人だけ。
彼は生き残れるのか?
●満足度:83点
もっとバカを全面に出したコメディかと思いきや、
シリアスなテーマを軽快に描いたかなりの良作だった!
●病気と人間関係の変化
難病にかかった主人公のアダム君は、
何とか冷静にその事実を受け止めようとする。
彼はその事実を友人、恋人、家族、同僚に告げるが、
周りは平静を装いながらも、やはり気を使ってしまい、
一歩引いた関係性になってしまう。
これは、本当に「普通に接しよう」と思う事自体が、
「普通でない」わけで、死ぬかもしれない人に対して
「普通に接しよう」と心がけることは、
なんて不自然なんだろうと、そんなことを思い知らされる。
ただ、本作はあくまでもコメディとして描く部分も多いため、
あからさまに不自然に接する人が、
おもしろおかしく描かれたりもするのが、いい塩梅。
彼の恋人の描かれ方は、
もうちょっとやりようがあったと思う。
決して悪人とは思えない「ザ・普通の彼女」が、
「ザ・図太い男」、セス・ローゲンに
ボコボコにされてしまう姿は、ちょっと可哀そうにも観えた。
そりゃ、腹が立つ部分もあるけど、
お前がそんなにしゃしゃるところじゃないだろ!と。
とは言え、証拠を突きつけ歓喜するセスに
かなり笑わされてしまったんだけどね。
●男の友情は、恋に勝る
我らがグリーン・ホーネット、
セス・ローゲン演じる、主人公の親友カイル。
このキャラクターが素晴らしい。
ゲイという訳ではなく、図太く話も巧い。
ルックスが良い訳ではないが、主人公のアダム君とは
違ってモテるオーラが出てる。
ただ、カイルは女性と精神的に深く関わらず、
飽くまでも肉体的にのみ、女性を求める。
そして、主人公のアダムには無償の愛とも
言えるほど、献身的に尽くす。
毎日朝迎えに来たり、家に入り浸ったり、
外に連れ出したり、病院への送り迎えや、
薬をぬってあげたりもする。
その上、軽口でおちょくったり、
ナンパのために利用したりと、
無理してる感が全くない。
長年連れ添った夫婦レベル。
このレベルをあの彼女が要求されてたんなら、そりゃ無理だろ。
それだけにこの友人は、最後まで
「もしかして、コイツただのバカなんじゃないの?」
っていう疑惑を残しておいてほしかったのも確か。
前半のセスは出てくるだけで笑っちゃうんだけど、
後半のセスは出てくるだけで泣けちゃうんだもの!
こいつがイイヤツすぎるところが不満点でもあり、
感動するポイントでもある。
●勿体ないくらい早い展開
開始5分程度でがんを宣告され、
10分後には家族への告白が済んでしまう。
普通の難病映画なら肝となる部分をサクサクっと
流し、あっという間に話が進み、
いつの間に終わっているというテンポの良さ。
普段なら、短い映画、テンポの良い映画を推すが、
テーマがテーマなだけに、面白いだけに、
ただのコメディにしてないだけに、
もっとジックリ描かれてしかるべき部分が
多かったようにも思える。
徐々に気持ちが入ってくるんだが
入ったところで終わってしまう。
病気に苦しむ描写が、ほとんどないのは
難病モノとして描くことが本意ではないからだろうから
これは良しとする。
でも、一番「えっ?」と思ったのは、
おっぱいを強調する若いセラピストと
あっさり恋仲になっちゃうところ。
あんだけ罵倒しておいて、一番自分が
きついときに甘えて両想いとかふざけんな。
お前はまず、友人を大事にしろ。
セラピストもセラピストで、患者にそんな想いを抱くなら、
それはそれでちゃんと葛藤しなきゃダメだろ。
他の患者さんだって、アナケンぐらい可愛くて
オッパイ強調して、ベタベタ触ってくる先生に
看てもらったら好きになっちゃうだろうし、
他の患者を看てる時に心ここにあらず、みたいなのダメ、ゼッタイ。
この二人はくっつきそうでくっつかない
ぐらいじゃないとなぁ。
どちらにせよ、もうちょい時間を
かけて描くべきところだっただろう。
色々文句言ってるけど、とっても良かっただけに
もうちょっと観ていたかったんだよね。
とっても面白いし、感動できる素敵な
バディ・ムービーでした。俺、セス・ローゲン好き。
女性には嫌われそうなキャラクターだけど。