A男 「B子、この前、お父様が亡くなったんだって? 御愁傷様でした。」
B子 「別に親父なんか疎遠だったからどうでも良いんだけど、財産が大して貰えないから困ってんのよ! 親父の財産なんか家くらいしか無いから、そのままじゃどうしようもないし、売っちゃえ、って言ってんだけど、ママと兄貴が住んでるから、売れないし…。」


友達同士のA男とB子の会話です。


前後関係やその時の状況は分かりません。

もしかすると、B子は、実の両親とはあまりうまく行っていなくて、さっさと家を出てしまったのかもしれませんし、ギリギリまで実家に寄生していて、兄夫婦が同居するからやっと出ていったのかもしれません。

あるいは、B子は、定職に就いたことも無く、ずっと実家に寄生していたこども部屋おばさんかもしれませんし、せいぜいパートやアルバイトしかやったことがないのかもしれません。

若しくは、B子は、結婚したばかりで、専業主婦をやっているのかもしれませんし、専業主婦を目指しているのに、婚活もうまく行っていないのかもしれません。


さて、B子から、

「(亡くなった)親父なんか疎遠だったからどうでも良いんだけど、財産が大して貰えないから困ってんのよ! 親父の財産なんか家くらいしか無いから、そのままじゃどうしようもないし、売っちゃえ、って言ってんだけど、ママと兄貴が住んでるから、売れないし…。」

と言われたA男は、どう返せば良いでしょうか?

①「ふーん、お父様の告別式や、お布施、香典返しとかの費用は誰が出したの? あと、B子は香典とか出したの? そういうの出してなかったら、貰える財産はもっと減っちゃうよ?」

②「あのさ、財産分与で優先されるのは、故人の遺言だよ? 遺言がなかったら、遺産分割協議書を作成すると思うけど、お父様の通院とか介護とか何かやってたの? やってなかったら、遺留分しかないよ?」

③「なるほど、それは大変だね。お兄様は家は貰えるから財産はあるんだろうから、B子は生命保険とかお金を貰うしかないんじゃない?」

もちろん、正解は③です!


当たり前過ぎますが、一応簡単に解説を…。

①このようなことを言っても、
「そんなの出すわけ無いでしょ? 実家に住んでんのはママと兄貴なんだから、二人が出すのが当たり前でしょ?」
と、言うだけで、故人を痛む気持ちは微塵もありませんから、言うだけ無駄なので不可です。

②このようなことを言っても、
「遺留分って何?」
と自分の無知を包み隠そうともしない言動を繰り返すだけで、言うだけ不毛なので、不可です。

③このように、相手の立場に共感して、相手が気付かないかもしれない視点を共有すれば十分でしょから、これ一択でしょう。


最後に、B子のように、自分が損をすると感じるものには一銭も出そうとしない功利主義というか拝金主義の女性は少数派かもしれません。

そういう女性は、どんなに親と疎遠でも親が亡くなれば、自分は、親の相続分を当然貰えると思い込んで、当てにしています。
しかし、遺言がない場合は、相続人同士の話し合いの結果、財産分割協議を行い、相続人が実印を押して、各相続人がそれを保管しておく訳です。
今回は、B子、B子のお母さんとお兄さんの3人が、被相続人のB子のお父さんの相続人になるわけです。
そして、もし、家や土地しか財産がないのであれば、それを売って現金を分けるか、家や土地の相続人が、他の相続人に代償分割として現金を渡すことになるわけです。

例えば、実家の土地をB子のお母さんが相続し、家をお兄さんが相続し、B子が家の固定資産税評価格に相当する現金をお母さんから貰う、というような形をとるわけです。

お母さんとお兄さんが同居しているのであれば、上記の方法が最も合理的で、揉めにくいでしょう。
実際は、B子のお父さんの通院や介護などに、B子が全く関与していなかったとしても、そのこと自体は、財産分割協議にはほとんど影響しません。
というのは、数値化することが難しいからです。
しかし、お父さんの葬式費用、お布施、香典返し、仏壇や四十九日の費用などは、安くても200万円以上はかかるでしょうし、檀家のお寺がなく、新たにお墓を購入したりすれば、更に何百万もかかるかもしれません。
それらの費用を、お母さんとお兄さんで負担することになれば、B子への代償分割は、ほとんど無くなるかもしれませんけどね。

まあ、このようなことは、大人なら誰でも知っている常識ですが、恐らく、お母さんとお兄さんに甘えて生きてきたB子は、全く知らないことでしょう。
そして、いざ自分に対する遺産はゼロ、という自体に直面して、初めて、自分の無知を思い知り、お母さんとお兄さんのせいにして荒れ狂うことでしょう。

そのようなことは、火を見るより明らかですが、A男がわざわざ教えてあげる必要もないでしょうから、B子の気持ちに共感して、気付かないかもしれない視点を教えてあげれば十分でしょう。


今日の一句 すべからく 常に女は 功利主義
対処法 言い分を認め、気付かない視点を教えてあげる