A子 「B子、デートに遅れて行ったり、ドタキャンしたりしてるんだって?」
B子 「まあね。メイクに時間かかったり、気分が乗らない時とかあるでしょ? そういう時はドタキャンするかな。悔しかったら、ドタキャンされないようなイケメンになれ、っていう感じ!」


友達同士のA子とB子の会話です。

前後関係やその時の状況は分かりません。

もしかすると、B子は、中高生時から学校にもよく遅刻したりしていたので、罪悪感の欠片もないのかもしれませんし、彼氏が出来て安心して、遅刻やドタキャンをするようになったのかもしれません。

あるいは、B子は、昔からモテていたので、男を待たせたりドタキャンをすることはある意味当然ととらえているのかもしれませんし、ドタキャンしても寄ってくる男だけを相手にしているのかもしれません。

若しくは、B子は、なぜかA子に対してひがみを感じていて、それを隠すために、遅刻やドタキャンをすると言ってマウントを取ろうとしているのかもしれませんし、別に何とも思っていなくても無意識にマウントを取っているのかもしれません。


さて、B子から、
「(デートでよく遅刻やドタキャンをする理由として)
メイクに時間かかったり、気分が乗らない時とかあるでしょ? そういう時はドタキャンするかな。悔しかったら、ドタキャンされないようなイケメンになれ、っていう感じ!」
と言われたA子は、どう返せば良いでしょうか?

①「それって、『アタシは遅刻してもドタキャンしても許される女』っていうアピール? まあ、どんなにアピールしてもマウント取っても良いけど、ただのだらしない女だからね?」

②「あのさ。遅刻したりドタキャンしたりする、っていうのは、自分のために用意してくれた相手の時間を大事にしていない、軽んじている、っていうことだよね? っていうことは、相手から同じことされても許す、っていうこと?」

③「まあ、B子だったら、レベルが高いから、遅刻しようがドタキャンしようが、いっくらでも男が寄ってくるだろうから、心配いらないよね? 羨ましいな~。アタシなんかに遅刻したら見捨てられると思うから、遅刻も出来ないし、ドタキャンなんか絶対無理だな~。」

もちろん、正解は③です!


当たり前過ぎますが、一応簡単に解説を…。

①このようなことを言っても、
「何言ってんの? 男を待たせるのが良い女なんだから、当たり前でしょ? ガッツク女なんてみっともないじゃない!」
というような自分の考えを押し付けてくるだけでしょうから、言うだけ無駄なので不可です。

②このようなことを言っても、
「自分がされたら即別れるわよ! 当たり前でしょ? アタシはそんな価値が低い女じゃ無いんだから!」

などと、根拠の無い自信から来る反論をされるだけでしょうから、言うだけ不毛なので、不可です。


③このように、褒めてあげて、羨ましがってあげて気分を良くしてあげれば、B子も文句無いでしょうから、これ一択でしょう。


B子のように、相手の時間より自分の時間を大切にして、相手の気持ちを踏みにじることに対して、何とも思わない女性は少数派かもしれません。

読者の皆様は、オードリー・ヘップバーン主演の『ローマの休日』(Roman Holiday)という映画をご覧になったことがあるでしょうか? 小国のアン王女が、グレゴリー・ペックが演じる新聞記者のジョーとローマを遊び回る1日を描いた名作ですよね。

最後の記者会見シーンで、アンは、とある新聞記者からの質問に答えます。

Press:Which of the cities visited did your Highness enjoy the most?

Ann: Each in its own way was unforgettable,

 it would be difficult to. Rome! By all means Rome. I will cherish my visit here in memory as long as I live.

(記者:訪れた都市の中ではどこが最も楽しめましたか?
アン:それぞれの都市が忘れ難く、決めるのは難しいですが、ローマです。断然ローマです。私はここローマを訪れたことを命有る限り心にとどめて大切な思い出として取っておくつもりです。)

この会見で初めてジョーを新聞記者だと知ったアンが、ジョーから目を離せないのですが、やっとの思いで振り絞った答えが、『Rome, by all means, Rome.』

なのです。
この言葉は、アンからジョーへの告白と訣別を表していると思います。
そして、アンとジョーの視線と表情から、お互いを思う気持ちや、もう二度と個人的に逢うことはもちろん、会話すらすることも一生無いだろう、というような切ない気持ちがひしひしと伝わってくるのです。

ここでやっとB子の話に戻ります。

その記者会見の間中、椅子に座っているアンは、決して背もたれに寄りかからずに、背筋をピンと伸ばしており、オードリー・ヘップバーンの美しさが、椅子の後ろから見ても分かるぐらいなのです。

日本の天皇陛下も同様の座り方をされますが、座りながらも、相手に不快な思いをさせないように、相手との時間を大切にしている、ひいては相手のことを大事にされている、ということがよ~く伝わってきますよね?

しかし、B子はどうでしょうか?

B子の言動から、B子にとって本当に大事なのは自分だけなんだな、っていうのがよ~く分かりますよね?


ですから、ただ、B子の気持ちを代弁してあげて、羨ましがってあげて気分を良くしてあげれば十分でしょう!


今日の一句 すべからく 常に女は だらしない?
対処法 気持ちを代弁して、羨ましがって、マウントを取らしてあげる