A子 「B子、彼氏のC男とはどんな感じ?」
B子 「まあまあ、って感じ。アイツ独り暮らしだから、面倒臭がって家まで来て、とか言うけど、そんな雑な扱い嫌だから、駅まで迎えに来させたり、帰りは家の近くの駅まで送らせたりしてんだけどさ。」


友達同士のA子とB子の会話です。

前後関係やその時の状況は分かりません。

もしかすると、B子は、今までにも何人も彼氏がいて、中にはヒドイ彼氏もいたので、新しい彼氏には強気に色々要求しているのかもしれませんし、元々お嬢様気質で、色々とやって欲しいのかもしれません。

あるいは、B子は、一人っ子や上にお兄さんがいる妹で、とにかく甘やかされて育ってきたのかもしれませんし、元々は長女で甘えるのが下手で懲りたから、それを活かしているのかもしれません。

若しくは、B子は、A子に対して「大事にされているアピール」をしてマウントを取ろうとしているのかもしれませんし、そういう打算無しに、素で言っているのかもしれません。


さて、B子から、
「(彼氏のC男との関係は)まあまあ、って感じ。アイツ独り暮らしだから、面倒臭がって家まで来て、とか言うけど、そんな雑な扱い嫌だから、駅まで迎えに来させたり、帰りは家の近くの駅まで送らせたりしてんだけどさ。」
と言われたA子は、どう返せば良いでしょうか?

①「そんな面倒な女なの? 5歳児とかなら駅まで迎えに行ったり、家まで送ったりするのも分かるけど、あんたいくつ? 自分の足を使えば良いでしょ?」

②「ふーん。家に来て貰うのは、雑な扱いなの? 散らかっているC男の部屋を掃除させたりするなら分かるけどさ。人が家に来るなら、家を片付けたりしなきゃなんないのに、そういうのは当たり前なんだね!」

③「へ~、B子って、彼氏に大事にされてるね! 羨ましいな~。まあ、B子にとっては、そんなの当たり前なんだろうけど、アタシなんか、そんなに大事にされたこと無いから羨ましいな~。」

もちろん、正解は③です!


当たり前過ぎますが、一応簡単に解説を…。

①このようなことを言っても、
「そんなの都合の良い女と思われるだけでしょ? (アタシはあんたみたいに安い女じゃないのよ!)」
と言われるだけで、言うだけ無駄なので不可です。

②このようなことを言っても、
「掃除なんかやるわけないでしょ? 家政婦じゃないんだから! アタシが行ってやるんだから、家を綺麗にしておくのは当然でしょ?」

と、あくまでも相手より上に立とうとマウントを取るだけですから、言うだけ不毛なので、不可です。


③このように、価値があるレベルが高い女、と誉めて、羨ましいと言ってあげれば、B子
の虚栄心や承認欲求も満たされますから、これ一択でしょう。


まあ、B子のように、構ってちゃんアピール全開で、色々と男にやって貰うのが当たり前になっている女性は少数派かもしれません。

読者の皆様は、Chaning Tatumが主演のジョン、Amanda Seyfriedがヒロインのサブリナを演じる『親愛なるきみへ』(Dear John)という映画をご覧になったことがありますでしょうか?

米国陸軍軍曹のジョンと学生のサブリナがふとしたきっかけで付き合うようになるのですが、ジョンの海外赴任によって会えなくなったため、手紙のやり取りを続ける物語です。

最初の手紙でサブリナは次のように書いています。

Tell me everything. Write it all down, John. Scribble it in a notebook. Type it out. Email it to me. I don’t care. But I want to know everything. That way, we’ll be with each other all the time even if we’re not with each other at all. And somehow we’ll get through this. Together. 
「何でも教えてね、全部書いてジョン。メモでもタイプでもメールでも何でも良いけど、何でも知りたいの。そうすれば、たとえいつもは一緒にいられなくても、ずっと一緒にいられる感じがするわ。何とか一緒に乗り越えて行こうよ!」

サブリナのジョンを想う気持ちが伝わって来ますね!
しかし、軍人のジョンは、赴任先も軍事機密なので書くことも出来ず、かなりの数の手紙のやり取りを経て、結局、サブリナは他の人と婚約してしまいます。

そして、サブリナは、最後の手紙でこのように締めくくるのです。

 I hope that you’re safe, and that you’re happy. I have no idea where you are out there in the world, John, but I understand that I lost the right to know these things long ago. No matter how many years go by I know one thing to be as true as it ever was. I’ll see you soon then. 
「あなたが無事で幸せなら良いんだけどな。世界のどこにいるのかも分かんないけど、ジョン、そういうことを知る権利は、もうずっと前にアタシには無くなった、って分かってるんだけどさ。あれから何年も過ぎたけど、前と同じように確かなことがあるって思うわ。そのうちに会えると良いなってこと。」

ネタバレになるので、これ以上は映画の内容は書きませんが…。

B子だったら、ジョンが海外に赴任した段階で、即座に別の構ってくれる彼氏に乗り換えるに決まってますよね?
間違っても、面倒臭い手紙なんか、書くわけは無いでしょう。
だって、手紙なんか書いても、相手は帰ってこないかもしれないんですから…。

ですから、B子が『Dear John』を観ても、
「サブリナって馬鹿じゃないの? さっさと新しい男を探せば良いのに!」
と思うだけで、感動の名作にはならないでしょうね~。

ちなみに、原題の『Dear John』のJohnは、英語では「名無しの権兵衛」の「John Doe」の一部で、「無名戦士」という意味も含まれているでしょう。
(女性なら「Jane Doe」です)
つまり、『Dear John』は、米軍兵士なら誰にでも起こり得ることだよね、ということが暗示されているのかもしれません。

当たり前ですが、こういうことは、『親愛なるきみへ』という邦題からは、なかなか分かりませんが、分かっていると、深い原題で、
「さすがNicholas Sparksはベストセラー作家だな」

と感心しちゃいますますよね?


『親愛なるきみへ』も、Amazon Primeでタダで見れますよ!



今日の一句 すべからく 常に女は 貰うだけ?
対処法 価値があるレベルが高い女、と誉めて、羨ましいと言ってあげる