A子 「B子、この前C男に誘われてどうなったの?」
B子 「ご馳走して貰ったわよ! 安い食事だけどね! もっと飲もう、って誘われたけど、すり抜けて帰ってきたわよ! アタシは、『やれそうでやれない女』なのよ!」


友達同士のA子とB子の会話です。

前後関係やその時の状況は分かりません。

もしかすると、B子は、昔から結構モテる方で、色んな男に奢らせてきたのかもしれませんし、昔はあまりモテなかったのに、最近男のあしらい方を覚えてモテるようになったのかもしれません。

あるいは、B子は、元々はかなりの引込み思案で、男から言い寄られても毎回断っていた
のかもしれませんし、自分からモノにしたいと思った男は必ず落としていたのかもしれません。

若しくは、B子は、昔の彼氏に浮気されて傷付き、特定の彼氏を作りたくないと思っているのかもしれませんし、付き合うんなら結婚を見据えたいので慎重になっているだけかもしれません。


さて、B子から、
「(C男と食事に行って)ご馳走して貰ったわよ! 安い食事だけどね! もっと飲もう、って誘われたけど、すり抜けて帰ってきたわよ! アタシは、『やれそうでやれない女』なのよ!」
と言われたA子は、どう返せば良いでしょうか?

①「やれそうでやれない女、って、タダ飯にありつくため? なんか、それって、キャバ嬢が同伴で出勤してノルマを達成するみたいな感じじゃない?」

②「ふーん。もしかして、お腹減ったら、誰かを呼び出して奢らせてるの? 相手の男は、『この後ワンチャンやれるかも?』って思うから奢ってくれるんだろうけど、それって、『B子は奢らせるだけで、やれねーよ!』みたいに噂になんないの?」

③「へ~、B子は可愛いからな~。奢ってくれる男も、B子みたいに可愛い子なら喜んで奢ってくれるんだろうな~。マジで羨ましいよ! アタシなんか誰も誘ってくれないから無理だな!」

もちろん、正解は③です!


当たり前過ぎますが、一応簡単に解説を…。

①このようなことを言っても、
「好きでもない男と食事してやってんだから、奢るくらい当たり前でしょ?」
と、言い返されるだけで、奢られることを当然と思っていますから、言うだけ無駄なので不可です。

②このようなことを言っても、
「その時はその時よ! 男なんていくらでもいるんだから!」

と、反論するだけで、ネットに顔写真や携帯番号を晒されたりしない限り反省しませんから、言うだけ不毛なので、不可です。


③このように、可愛いと誉めてあげて、羨ましがってやり、自分を卑下すれば、B子はこっちを憐れんでくれて気分が良くなりますから、これ一択でしょう。


最後に、B子のように、「ワンチャンやれるかも…」と思わせるように男の下心につけこんで、食事に行って奢らせている女性は少数派かもしれません。


読者の皆様は、『ショーシャンクの空に』(Shawshank redemption)という映画をご覧になったことがある方も多いでしょう。

Tim Robbins扮するAndyが、無実の罪でショーシャンク刑務所に入れられ、Morgan Freeman扮するRedと親しくなり、最後のどんでん返しに繋げていく名作です。


この映画では、Hope(希望)がキーワードです。

例えば、アンディとレッドの次のような会話があります。


Andy:Hope is a good thing, maybe the best of things, and no good thing ever dies.

(希望を持つのは良いことだよ。多分最高のものだよ。心の中で思っていれば絶対に無くならないんだから。)

Red:Hope is a dangerous thing. Hope can drive a man insane. 

(希望を持つのは危険だぞ。人を狂わせることもあるんだから。)


しかし、映画の途中で、アンディの無実を晴らせそうな囚人が殺されてしまい、希望が無くなったと感じたアンディは、レッドに対して次のように語ります。

I guess it comes down to a simple choice, really. Get busy living or get busy dying. 

(本当に簡単な選択だと思うよ。忙しく生きていくか、忙しく死んでいくか、だよ。)


言われたレッドは、刑務所と言う時間がたっぷりある場所で、

「どうやって『忙しく』生きるんだ?」

と感じたことでしょう。

しかし、それは最後のどんでん返しでレッドは納得するわけです。


そして、40年の刑期後に釈放されたレッドの次のような台詞で映画がラストシーンを迎えるのです。


I hope to see my friend and shake his hand. I hope the Pacific is as blue as it has been in my dreams. I hope. 

(俺の希望は、唯一の友達に再会して握手し、太平洋がずっと見てきた夢と同じように青いことだ。それが俺の希望なんだ。)


この台詞で分かるのは、最後にレッドは、やはり「希望」は危険なものではなく、最高のことなんだと悟った、ということでしょう。

それが視聴者へのメッセージになっている訳ですね。


しかし、B子が男たちに「やれるかもしれない」と思わせる「希望」は、レッドの言う通り、男達を「insane」にしてしまうかもしれませんよね?


例えば、食事の最中に、薬を飲み物に入れられたり、フラフラの状態でホテルに連れていかれてレイプされたり、リベンジポルノを撮られたり…

『ショーシャンクの空に』の所長のようにならないと良いのですが…


まあ、B子自身は、男にたかるのは当然と思っているでしょう。

痛い目に合わないと、人間、なかなか変わりませんから、余計なことをB子に言う必要はありませんからね。


最後に、『ショーシャンクの空に』の原題『Shawshank redemption』の中の「redemption」は宗教用語で「救済」という意味です。

ですから、原題は、『ショーシャンクの救済』に近いわけです。

しかし、「redemption」には会計用語で、「債券、株を金銭に替える」という意味もあります。

となると『ショーシャンクの償還』という意味で、最後のどんでん返しも匂わせているのかもしれません。

しかも、アンディは元銀行員という設定ですから、原題は様々な含みを持たせているのでしょう。

本当に英語のタイトルは、深いですね~。


『ショーシャンクの空に』も、Amazon Prime Videoで無料で視聴出来ますよ!


今日の一句 すべからく 常に女は すり抜ける?
対処法 誉めてあげて、羨ましがってあげ、自分を卑下し、憐れんでもらう