放課後の職員室

 

 

今日はいつもと違って、少し落ち着きがある

 

 

そんな落ち着きある日常は

 

 

職員室という空間はすぐさま

 

 

非日常と化する

 

 

 

 

 

 

生徒:「先生、頼みがあります」

 

 

僕:「どした?」

 

 

生徒:「いつも朝やってるテストについてなんですが、再テストを見逃してもらえないでしょうか?」

 

 

僕:「どして?」

 

 

生徒:「だって前のテストは体調不良でできなかったけど正直私いつものテストでは点取れてるし」

 

 

僕:「つまり?」

 

 

生徒:「わざわざ再テストする必要ないかなって」

 

 

僕:「なるほど(こういった相談は正直何回も来てるんだよなぁ)」

 

 

生徒:「それで先生のお考えは?」

 

 

僕:「結論から言うとNOです」

 

 

生徒:「なぜです?」

 

 

僕:「①先にルールで決めてることだから②特別扱いをすると後々複雑になるから③実力関係なく、テストを受けるという機会を平等にしたいから」

 

 

生徒:「ルールで決めてるからって全然納得しないです」

 

 

僕:「だって、先にルールを決めとかないと、明確な基準が決まらんやろ。こんな時はこう、あんな時はそう、とルールがあるからお互いにとってやりやすいねん」

 

 

生徒:「そのルールを変えて欲しいんです。他の基準も作りましょうよ」

 

 

僕:「ここでルールを変えたら混乱が生まれるわ。今の状態やからやりやすい」

 

 

生徒:「それって先生たちにとってしかやりやすくなくないですか?」

 

 

僕:「確かにな。でも正直言うとそのくらいしないと何百人の答案を一気に見れないんよ」

 

 

生徒:「先生は生徒の立場に立って考えてくれないんですか?」

 

 

僕:「テストの上では逆に先生側の立場に立ってみて欲しいよ。週に2回。再テストはこの日。基準は○○点。それ以外は認めない!ってしないと例外ばかり作ると他の仕事が回らんよ」

 

 

生徒:「確かにそうかもしれないけど、、、!なんか納得できません」

 

 

僕:「納得できんくていい。でもこちらの立場を理解してくれぇ。そりゃ今の状態、生徒にとってのやりやすさと先生にとってのやりやすさの正義同士がぶつかってるからどっちかがウィンになる結論は出んよ」

 

 

生徒:「これが社会か。理不尽に耐えていかないといけないんだな」

 

 

僕:「残念ながら、社会は管理する側が都合がいいように作られてるんよね(あれ、なんかドラゴン桜みたい)やから、君らが今耐えながらも新しいルールを作って、学校を変えてくれ」

 

 

生徒:「生徒会頼んだ、、、」

 

 

僕:「いや、皆の力必要よ」

 

 

生徒:「なんで学校って理不尽なルールばっかなんですか」

 

 

僕:「唐突な度直球ストレート質問!例えば?」

 

 

生徒:「男子はネクタイ、女子はリボン、制服着なあかん、携帯禁止、PC使う時は許可が必要、奇抜な髪型禁止、奇抜なファッション禁止、、、色々」

 

 

僕:「確かに色々あるよなぁ。この情報化時代に携帯持ち込み禁止やもんなぁ」

 

 

生徒:「そうですよ。なんかやらかしたやつはそいつが悪いのであってなんで私たちに損が被られるんですか」

 

 

僕:「学校っていう一つのコミュニティでもあるから、周りの目もあるわけで全体としていつも評価されとるわけ。やから、一人一人の行動が皆に、学校に影響を及ぼしてるからルールを作って禁止事項を増やしたほうが問題が起こりにくいわけ」

 

 

生徒:「でも、大学は奇抜な髪型ありやのに、なんで中学校・高校は、、」

 

 

僕:「結論は同じよ。結局周りからどうみられてるか、であるし、こちら側は皆の命を預かってるわけだから変に自由にさせて、危険を及ぼさせるよりはルールがあったほうが好都合なんよ」

 

 

生徒:「子供扱いがすぎません?自分たちで考えて行動できますよ」

 

 

僕:「子供・大人扱いというよりかは、やっぱり先生側の立場として皆の命が守られてることが大前提だから、そこから離れたことを避けさせたいんよね。大学は自己責任と言えるけど、中学校・高校は預かってる側だから」

 

 

生徒:「理解はできるけどやっぱり納得がいかないです」

 

 

僕:「そんなもん。僕もまだ分からん社会のルールありすぎていやよ。でもまずはそのルールにしっかり揉まれてからようやく「違和感」を感じる。そして、その違和感はよくも悪くも働くんよね」

 

 

生徒:「ルールってなんのためにあるんでしょね」

 

 

僕:「かっこよく言ったら皆を守るため、皆のポテンシャルを最大限に引き出すため」

 

 

生徒:「かっこ悪く言ったら?」

 

 

僕:「生徒の思考力と創造力を失わせて、上のものに都合をつけるため」

 

 

生徒:「表裏一体すぎん」

 

 

僕:「だから、常にルールについて考えなあかんし、おかしいと思ったことはやっぱり聞いてみることが大事なんよ。何も変わらんかもしれんけど」

 

 

生徒:「どうせ変わらんねやったら、、、」

 

 

僕:「そんなこと言わない、そのルールに何も考えずに従ってたら何も考えられない人になるよこれから。理不尽と感じながらも、それに対抗する他のルールはなんなのかとか考え、実行していかな」

 

 

生徒:「まだまだ不満はたくさんあります」

 

 

僕:「よっしゃ、全部聞かせてくれ」

 

 

生徒:「どうせ、結論は出ないけどね」

 

 

僕:「考えることに意味がある!」

 

 

先生:「ちょっと君たちそこで話すぎ、邪魔よ」

 

 

僕:「あ、すみません」

 

 

 

 

 

 

 

 

ここまでのやりとりを

 

 

不毛と片付ける人もいれば

 

 

建設的と答える人もいるでしょう

 

 

でも、ルールはルールって肩つけるのが楽やけど

 

 

なんのためのルールってのを考えることって結構大事

 

 

僕もまだ完全納得解は得られてないが、、、

 

 

いつも考えてます笑