2年生になった初夏のある日、私の部屋に化粧品のセールスおばさんが訪ねて来た、このおばさんの出会いがきっかけで私の平穏な日常が少しずつ変化していく。人生とはドラマ・・・本当にそうだと思う、主人公は自分だが登場人物次第で幸にも、不幸にも回転していく。このオバサンは初対面の私に最初から妙に積極的で、親切なのか馴れ馴れしいのか分からないが、私に高い化粧品など買えない事が分かっても離れないのだ。この場で明かしておくが実は、このオバサンはやはり相当に危険人物だった。この出会いから数十年後に何と私の地元のある場所で奇遇にも再会したのだ、この時のオバサンは高級羽根布団と称した安物を詐欺商法であるねずみ講で会員を増やし、販売させている親玉をしていて私の知り合いがここの会員をしていたので東京から招かれたらしい・・・、

本当にビックリ仰天!本人も腰を抜かすほど驚きすぐに駆け寄ってきて耳元で囁いた、「私の事を誰にも話さないでね!!お願いだから」と、私は過去を知っているからか?何か不味い事でも?この狭い日本での万が一の確率の出会いであった。この人の家は私のアパートから歩いて5分位の近さである、やたらと親切でご飯をご馳走してくれるのだ。私は独り身の孤独だからこの地で知り合いが出来たことは嬉しいが、どうもこのオバサンの本心が掴めなく危険な臭いもする感じだ。この家に夫?(ただの同棲相手だった)と小さな娘の3人暮らしだ、夫は何をしている人か分からないが凡人だ、このオバサンは詐欺師のセンスがあると感じた、口がとにかく上手い!セールスの成績も抜群のようだ。

ある日私に会わせたい人がいる・・・と言って自分の親戚らしいが恰幅の良いオジサンを紹介した、何のために私のような小娘を・・・?