この高度成長時代の舞台裏は、今では想像もつかない昭和の激動期の中心で闇の渦が大きく支配していた。この頃私の地元から総理大臣が選出され、地方とは言え怒涛の勢いであった。特にゼネコン関係の支店、営業所があっという間に配置、大手企業の進出、日本を代表する大手製薬会社の支店も続出・・・等々。

当然のように裏社会の組織も驚くほどの数がなだれ込みこの地に居を構えた。繁華街では堂々と大勢の配下を従え闊歩する姿が毎日見られ、この地の中心地の繁華街はとても地方の田舎とは思えないほどの活気と賑わいでごった返していた。裏社会の人間が多ければ多いほどその方々の女性も付いてくるから性風俗特殊営業も大繁盛、お店もどんどん増えていく。

更には国際キャバレー、高級クラブ、バー、パブ、深夜スナック、料亭、料理屋・・・・・身銭を切る必要が無く、会社から無限に近い接待交際費が認められている夢のような時代の恩恵で繁華街は毎日万札が飛び交っていた。

この頃は会社から真っすぐ家に帰るなど有り得ない!!!という殿方ばかり、役所関係のビルもこの頃は繁華街にあったので、普通に平社員でも給料、ボーナスが入った日には当然繁華街に繰り出す、幹部となれば接待三昧で身体を壊すほどだ。有能社員ほど「営業は夜に始まり、夜に終わる」と豪語していた。

ほんの4,50年前の話だが今後二度とこのような泡ぶく時代は絶対に訪れないだろう。この頃相反する組関係の抗争も数多くあり死人も続出していた、

初のボーイフレンドだったヒデもきっと、この数多かった抗争の中の一つに弾除け同様一瞬で藻屑のように消え去ったと思う、上からの命令は絶対服従だから。あの日以来もちろん黒のセダンとヒデの姿は無かった、短い月日だったけれど楽しかった「冒険と想い出」を、ありがとう!!!紳士なヒデさん。