82,無垢な少女の心を刃(やいば)に掛ける

 

夕食が終わると毎日継母の妹の所に一人でお風呂をもらいにいくのだが、たまたま継母が一緒だった時の道中でのビックリ仰天会話を話そう。何時もは並んで歩くのが嫌だから一人で行って一人で帰ってくるのだが、この日は何故か付いてきて相手にしていないのに一人で何か?しきりにしゃべっている。

久しぶりに並んで歩くと自分が継母より更に大きくなった事が分かる、

継母は人の10倍は食べる大食いだから「百貫デブ」のように太っている小さな巨人だ、顔立ちは綺麗だから継父に見初められたのだろう。しかしこの継母の頭の中には何が詰まっているのだろう?早食い、大食いの他に人の悪口、訳の分からない文句、夫の悪口、お金が無い、無い、の単語、私に面と向かっての暴言、この家での顔は鬼のような無表情で笑顔を見たことは無いが、自分の妹の家では常にニコニコして妹とその家族と笑い合っている、何十人格なのだろうか。

さて、この妹の家に到着するまで歩いて10分前後だがその間私から継母に口を開く事は絶対に無いが、継母はこの日突然思い出したように爆弾話を私にふった、話の前後も無くいきなり「あんたの父親は自殺したんだよ、あんたの母親が他の男と浮気したからあんたの母親のせいで死んだんだって、母親みたいな女になるな!」と。言われた瞬間つい継母の顔を見ると、少し笑みを浮かべながら勝ち誇ったような顔をして話していた。何故!今そんな重大な話を歩きながら簡単に話すのか?もし自分が突然そう言われたらどんな気持ちになるのか?

この人は人間の皮を被った悪魔か?ホントにどこまで底意地が悪い人間なのだろう、人の死を何とも思っていないのか!と真剣に思った。

思春期の多感な頃に聞く話ではない、しかも私は全く知らなかった、その時私は中学2年生だった、この時の父の話は今でもその場所にいるかのように継母の顔も話も鮮明な記憶として忘れられない。