61,兄の無謀な結婚

この全身癌の状況の中、兄が仙台で知り合った女性との結婚があり車椅子で出席した。実はこの結婚、生母や親族からの猛反対があったのに兄は強硬手段に出たのだ。この兄嫁は生母や親族たち全員を前にして強い語調で「この人の親兄弟、親族たちとは結婚後に絶対関わりたくないし、一切のお付き合いもしない!これが結婚する条件だ!」と爆弾宣言をした。つまり兄以外は全て赤の他人とみなし親兄弟でも自分には関係ないから拒否する!という自己流のおバカな理論のお披露目をしたのだ。この性格と言動では誰でも猛反対するだろう、しかし兄が惚れた弱みで条件を全部呑み勝手に推し進め結婚したのだ。それにしてもこの嫁はどんな育ちをしたのだろうか?父親は警察官らしいが。案の定、この家の冠婚葬祭全て、生母に関しても絶対に近寄らなかった鬼のような女だ。私が初めてこの女の顔を見たのは数年後兄に会うためだった、料理以外は全く家事が出来ない、おまけに金銭感覚は0どころかマイナスである。印象はゾッとするほど冷たそうな雰囲気と目が吊り上がっていて鬼夜叉のような顔立ちだった、角と牙をつけたら・・・そっくり。人の好みは奇々怪々だが兄は何故この女に惹かれたのだろうか・・・?後に語るが兄も胃癌が原発巣の全身癌で早死にした、この女に食い殺されたようなものだ。生母が自分の子供の結婚式に出席したのはこの不幸な結婚式一度きりである、それも悲しいかな命がけの出席で得た嫁は前代未聞の超悪妻、人食い鬼嫁であった・・・。