55,生母の再婚

生母は私を誘拐後この家に捨ててからすぐに再婚したという、何も再婚前にわざわざ祖母から私を引き離さなくても良いのに、何で敢えてこの2人から怨みを買うようなマネをしてから自分の再婚なのだ!再婚を機に自分なりの終止符をと一計を目論んだのか?そこまで執着して仕返しを望む祖母、叔母との因縁とは何なのか?恐らく嫁に来たばかりの頃、自分の失態続きを注意されているのに「いじめ」と思い深く根に持ってだと思うが。最後に私という手駒を利用してどうしても祖母と叔母に嫌がらせをし、積年の鬱憤を晴らしたかったのだろう、生母の仕打ちで祖母が亡くなった事をいい気味だ!と思ったのであれば、この間接殺人は相当罪深いものだ、必ずその報いの地獄の切符を近い将来受け取る日が来るだろう。

再婚相手は大工の棟梁だ、きっと保険の勧誘で知り合ったのだろう、この頃の大工は高度成長時代の恩恵により引く手あまたであり相当な高給取りであった。

1ドルが360円の時代であり、一時期の8分国債で例えば1億円が10年後には2億円にもなる時代であった。現代の利息からは想像もつかない話だが、1億の貯金があれば働かなくても一生利息で裕福に生活出来るのだから夢のような時代でもあった。保険の外交をしていたお陰で、大きな金額の流れを目にした生母は金銭感覚が麻痺してしまったのか、今度はお金の魔力に取り憑かれたのだろう。確かにお金はこの世で一番魅力的だ、しかし自分一人の力ではたかが知れている。生母はもう恋愛感情どころでは無い生活苦の状況、恋愛でご飯は食べられない事は十分承知しているし3人の子持ちでは良い縁談話しは来ない。

今!高給取りの大工でその棟梁ともなれば十分生活力がある。自業自得の報いで貧乏のどん底を味わい、お金の有難さが身に染みている、この機会を逃したらこの先結婚は難しいだろう。自分の気持ちよりお金を優先して再婚したのは大正解だ、5人の子供を産んでいてもまだまだ美しい生母に一目惚れした大工の棟梁は3人の子連れでも良いから射止めたかったのか?3人の子連れ女との結婚は相手が初婚だけに相手の親族から猛反対されたが無事に結婚できた、何と幸せなことか。