この家には小さな位牌が一つある、女の子の名前が書かれていて0歳だ、生きていれば私の二つ下である。またもや妊娠してしまいもう堕胎出来ない29歳の継母は仕方なく産むことにした、臨月になり産婆さんを呼び自宅での出産だった。難産の兆しは全く無かったらしいが三日三晩苦しんだ挙句、赤子は産道で窒息死したという、結局死産だった。早く病院にいけば助かったかも知れないのに何という愚かさだろう、あるいは継母の執念と思えるような「産みたくない!」という思いが赤子に伝わって自らこの世を拒否したのだろうか?あるいはこの母親に「命」を拒否された数知れない水子たちの恨みの念が、この赤子を産道で引き止め窒息死を図ったのか?