吼える噛み付き銭亀
金融モラトリアム法案を打ち出し
「私が言ったから株が下がるほど脆弱な銀行 は、銀行業を営んでいる資格がない」
と劇画の主人公のような勇ましい台詞を吐いて気勢を上げた亀井金融相だが、その後の株価の迷走には手を焼いているのか、
「モラトリアム法案には(閣僚から)異論が無かった 」
と発言したのに続き、モラトリアム法案に関し市場の不安を煽るかのような報道を行い、結果株価を引き下げたようにしか見えないマスコミ陣に対しても
「返せる借金を棒引きにするなんて言ったことはない」
と強調した末、
「あんたたちがおかしなことばかり書くから 」
と愚痴るかのようなコメントを残すことで自民党時代よりの宿業であるマスコミ対策に苦しむ一面を垣間見せたという。
ただ、自民時代からマスコミ対策には苦しんだものの結果は残しており、さらにはかつて反体制運動に参加し高校を放逐されたものの合気道を習い更正した元警察官僚という、その筋の人も裸足で逃げ出すようなオーラを放つ亀井氏だけに、モラトリアム制度についても
「最初から金利を対象外にすることではない。実効性のある中身を考える 」
と元本だけでなく金利も対象とする姿勢を見せるなど攻めの姿勢を崩してはいないため、中小企業の死活問題に直結するモラトリアム法案はとりあえずは前進の方向で進むことは間違いないだろう。
なお、9月の日本株のTOPIXが世界の主要株価指数の中で最も悪くなる 等厳しい市場の動向に左右されたのか、事前に演説で言っておきながら
「モラトリアムということまで合意しているわけではない 」
と与党合意に「は」無い状況を利用したかのような亀井氏切り捨てとも見える姿勢をとった鳩山首相に対しても
「首相と選挙の前から政策問題を話してきて、与党3党合意にモラトリアムを盛り込んだ 。齟齬(そご)なんか起きようがない。私はハト(鳩山首相)を守るタカだ」
と小泉一派に対する攻撃的な姿勢からは想像できないほどの寛大な姿勢を見せたという。
よくよく考えてみれば「モラトリアムと言うことまで合意しているわけではない」と言う言葉尻を取って「モラトリアムは与党合意には無い」と言う表題で飛ばし記事を書きたてた新聞はかの名高き読売であったため、この件も新政権混乱を狙ったナベツネ一派の姑息な罠であった可能性も0では無いだろう。読売の姑息な報道も、海千山千の道を極めた云わば極道の亀井先生を転ばせることは出来なかったようだが。
晴れて2008年政治資金収支報告では閣僚中トップに輝く 等、資金力も抜きん出ている亀井先生だけに、この件に関して反対する金融勢力より兵糧攻めを食らっても屁の河童であろう。カミツキガメと言うより噛み付く巨大銭亀と言ったほうが相応しいほど個性の突出している亀井氏の怪進撃は留まる所を知らなそうである。
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