早速、俺は当選した年賀状を持って、郵便局に出向いた。
既に徹夜組の連中も何人か並んでいて、局内にも騒然としたムードが
漂っていた。カウンターの整理券を抜き取るのに、長蛇の列に並んで約40分後に
整理券を抜き取とることが出来た。
興奮の坩堝一人また一人と番号を呼ばれては、
当選品を受け取り、足早に局の扉を後にしている。
何十分と待ったことだろうか?各新聞社や、テレビ局のフラッシュを浴びながら
いよいよ、俺の番号が、呼ばれた。周囲の連中も固唾を呑んで、俺がカウンターに
歩み寄るのを観ている!俺は、落とさないようにアタッシュケースに入れてきた
当選年賀状を震える手をなんとか抑えて、カウンターの女性に差し出した。
「おめでとうございます!」
「あ、ありがとうございます」 ロレツが回っていない。おもむろに、
当選品を受け取ると、アタッシュケースにしまいこんで逃げるようにして
満員の郵便局を出た。
周囲の目が、気になる。もし、帰る途中で、
悪いヤツに襲われて当選品を盗まれたらどうしよう!
最近は、物騒なのでせめて、誰かツレと一緒に来たら良かった・・・。
待てよ・・・。もしかしたらそのツレが、俺に山分けを迫って来るかも知れない!
そんなのは、ゴメンだ。しかし、もし山分けを拒んだら、
その時は俺は殺されてしまうかも知れない。
一人で来たことに安堵を覚えた。
さて、満車の郵便局の駐車場から少し離れたところの
コインパーキングから車を出した時には、
もう2時間も経過していた。800円だった。
車のナンバーを周囲の連中に覚えられたかもしれないと言う
不安もありながら、キーをひねった。
いや、もし、このまま帰宅して、
誰かが家の前で待ち伏せしていたらどうしよう!!
いつでも110番に電話できるようにしたほうがいいな。
なんとか、家について押入れや、浴槽にも誰も隠れていないのを確認し、
やっとアタッシュケースを開けた。
感動の一瞬である。このことは絶対に誰にも言わないでおこう。
近所の協会が、噂を聞きつけて、寄付を求めに来るかも知れない。
それもそのはず、
「4等切手シート」が、当たったからである!!
今夜は厳重に鍵をかけて、雨戸も閉めて寝ることにした。
