DIY担当の鈴木さん
3番にお電話です。
事務室の方へ、お戻り下さい。
ホームセンターを覗けば、DIYコーナーなる言わば日用大工用品が列べられたスペースがある。
とんかちノコギリ、電動ドリルに釘だのなんだの…
木材も、有るとこにはそれ専用の別館まで用意している所もある。
物さえ揃えば家一軒建てられんじゃねぇか、…ってのも、もはや笑い話だけじゃないのである。
「仕事以外の余暇の時間で、別荘のログハウスを建てました」
なんて話を聞いた、あるいはテレビで見た、という人は少なくないだろう。
今やリーマンが仕事の余暇に、素人知識だけで建物一軒建てられるような時代なのだ。
それだけ物資や時間に恵まれ、技術も便利になったって事だ。
近い将来、リーマンが「仕事の余暇で都心に我が家を建てました。自慢はこのキッチンで…」
なんて話も飛び出すかも知れない。
何が言いたいか…
そのうち、この国には大工も寿司屋も居なくなるだろう、って事だ。
それもしかたない。素人が満足するには素人芸で十分なんだから。当然である。
もはや社会そのものが、素人の、素人による、素人のための物として経済・文化・生活が動いているのだから。
死に物狂い、死と隣り合わせで、命懸けで…
そんな言葉の元の玄人芸なんて、もはや死語なのである。
廃れ行くもの…
それでもいい。そう思っただけです。
世話を焼いてもらえるのはとても嬉しいが、程々に。
ギャド