店主の体調が優れずご心配をおかけし申し訳ありません。まだ固形物を食べることができませんが、だいぶマシになってきました。


夏バテですかね。皆様もくれぐれもご自愛ください。


さて、今日は、預かりさん宅にいるケンちゃん(推定5歳の男の子)をご紹介します。


ケンちゃんはもともと地域猫さんでしたが、人慣れ抜群。でも、環境が悪く、有志の方々が保護。とあるおうちに引き取られたそうです。


しかし、どうも様子がおかしい。あれ、ケンちゃんじゃないの??と、外で見かけることが多く、飼い主さんに問い合わせたところ、出たがるから出している、と言われたそう。


私、いつも言うんです。


元野良だからって、別に外の暮らしがいいとか、出たいと思っているわけじゃないんですよ、って。


ただ、あっちの部屋には行ったことないから行ってみたいな、あそこのドアの向こうはどうなってるんだろうな、っていう好奇心で、出ようとしてしまうんですね。それを、出たがるからと思い、出してあげた、を繰り返していると、状態化します。


猫を飼っている人の中には経験がある人もいると思いますが、最初はリビングだけで飼っていても、そのうち寝室に入るようになり、気づけばいつも一緒に寝ている、というのと、同じです。猫にとっては。


でも、一緒に寝るのは大歓迎でも、おうちの中で猫にとって危険な場所には、猫に入ってもらいたくないですよね。お水のはってある浴槽で猫が溺れたという話を聞いたことがありますし、洗濯機の裏や下に潜り込んで大変なことになった、という話もあります。


同様に、猫にとっては、あっちの部屋にも行ってみたいな、という感覚でお外に出てしまったら、それこそ命取りです。お外からきた野良出身だって、同じです。他の猫に追われて道路に飛び出すかもしれませんし、他の猫と喧嘩したり、カエルなどを食べて感染症になるかもしれません。蚊やノミ・ダニに刺されてアレルギーを発症するかもしれません。慣れている子なら変な人に誘拐されるかもしれません。いろんなリスクがあります。


知人の運営する保護団体では、正式譲渡になったその当日、猫ちゃんが外に出て(私から言わせれば、出した)、目の前で交通事故に遭って亡くなったそうです。


話がそれてきましたが、ともかく、猫が出たがるからといって出すのは、愛猫を守る飼い主さん失格です。


人間の子供に置き換えてみてください。猫は永遠の2歳児とか言われますが、2歳児が、お外出たいと言って、じゃあ行ってきなさい、っていう親はいませんよね。なぜか。危ないからです。


猫を家族の一員として受け入れたなら、家族としてその命を軽んじてはいけない。


猫が出たがるから出す、帰ってくるから大丈夫、という人は、猫の命を軽んじています。家族と思うなら、やめて。


説教臭くなってきました。そしてまた脱線しそう。


ともかく、ケンちゃんをいったんは家に入れながら、外に出していた人に、保護主さんは抗議。結局、ケンちゃんは改めて保護し直され、すあま商會に託されたのです。


猫部屋がいっぱいすぎて、まだ預かりさん宅でお世話になっています。


とっても甘えん坊で、手がかからず、他の猫さん(預かりさん宅の先住さん)ともうまくやれている良い子です。しかも、茶白のイケメン!


ケンちゃんが本当に安心できるずっとの家族を待っています。