京阪10000系が運転開始から20年 | 鉄道とバスのブログ

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京阪10000系が2002年4月15日から運転を開始してから今年で20年を迎えた。
10000系は

老朽化した1900系や2600系0番台の置き換えおよび宇治線、交野線でのワンマン運転の実施を目的として、2002年3月から4月にかけて4両編成3本が製造された。その後、2006年4月16日のダイヤ改正に合わせて3編成が追加が投入された。

後継車種は当系列をベースに3000系の意匠も取り込んだ13000系に移行しており、6000系から続いた大型非常扉を採用した車両は当系列が最後となった。


車体はアルミ製で7200系を基本としている。

バリアフリー化を進めるため床面を20mm下げている。この際台枠を20mm薄くすることで対応したため、台枠の強度確保のため車体裾部の絞り込みを廃止した。一方で、屋根高さを10mm上げたため出入り口高さは7200系と比較して30mm高い1850mmとなっている。先頭車の前面形状は7200系や9000系と同一である。

外板塗色は、従来の緑の濃淡のツートンカラーから45年振りに変更され、ターコイズグリーン一色となった。運転台次位の窓上にメタリックシルバーで「KEIHAN」のロゴを入れた。この塗装は本形式のみで他形式には波及せず、その後、200年97月27日に出場した10004Fを皮切りに他車と同様の新塗装化が進められ、2010年の10006Fの新塗装化を最後に、ターコイズグリーン一色の塗色は登場から8年で消滅した。

2次車の10004F以降は、側面窓枠が黒色になった。

2015年度以降、一部の編成でヘッドライトのLED化が施工された。


新造時のターコイズグリーン



新塗装












車内

座席はロングシートとなっている。座席は7200系・9000系および5000系更新車は背面が緑、座面が青の2色シートであったが、本系列では紺色に近い青色一色となった。これはシートモケットに耐久性があり価格も安くリサイクル可能なポリエステルを採用されたためである(5000系・7200系も、10000系のモケットに順次交換されたが、後に再度交換されている)。扉部分のつり革ははね上げ機構を省略した短いタイプとなる。はね上げ機構がないのは7000系以来である。窓ガラスはUVカットガラス(カット率90%)とされ、ドアガラスも複層ガラスとしている。側窓は、コスト低減と利用客の使用頻度が低かったことを理由に、7200系・9000系で採用されていたパワーウインドウを廃止するとともに、扉間の側窓は固定窓とされた。

LED案内表示器は中之島線開業への対応のため、マップ式表示ではなくスクロール表示のみとした。

2次車の10004F以降は、難燃性基準の改正により蛍光灯カバーが省略されたほか、側面扉の引手が片側だけになった。

7200系、9000系から編入

2016年

2016年に7200系の7301が10101に、9000系の9601・9602がそれぞれ10701・10751に改番されたうえで10001Fに編入、2017年に7200系の7302が10102に、9000系の9603・9604がそれぞれ10702・10752に改番されたうえで10002Fに編入され、7両化された。同時に10651は10551に、10652は10552に改番された。従来の10000系と7200系・9000系からの編入車との間では車体やクーラーの形状が異なっている。7200系7301・7302の制御装置はGTO素子のVVVF装置であったが、10000系への改造に合わせてIGBT素子のVVVF装置にASSYに

交換されている。なお、10001F・10002Fでは7両化の際にワンマン運転機器を撤去した。


運用

当初から主に宇治線と交野線で運用された。2008年10月の運用改定後は基本的に交野線専用となったが、2013年6月1日から宇治線でもワンマン運転が開始されたため、これ以降は13000系の4両編成と共通運用となり、13000系の交野線運用が増え、本系列は宇治線でも定期運用されるようになった。当系列の本線での営業列車は、平日朝に設定されていた1往復の運用が2006年

4月16日のダイヤ改定でなくなったことで、イベント時を除きなくなった(回送列車のみの設定)が、2009年9月12日のダイヤ改定で平日深夜に1往復のみ復活した。当系列が使用されるのは、中之島発の快速急行ひこぼしの1本と、その前の運用の区間急行1本であった。しかし、2011年5月28日のダイヤ改定で当系列による本線での定期営業列車は再び消滅した。

先述のとおり、2016年に10001Fは7両化され、同編成は2016年3月16日から本線での定期営業列車に再び使用されるようになった。10002Fも7両化され、本線で運用されている。本線用は7両編成のため原則特急運用に充当されることはないが、8000系が2016年から2017年にかけてプレミアムカー改造のため7両編成で運用されていた時期には、8000系の運用の状況によって7両編成が定期運用の特急運用に入ることがあった。