梅雨ですね。
ジメジメと、暗い天気が続いています。
こんな日は外出するのもおっくうなので、
おうちで映画を観ます。
今日、セレクトした映画は、
韓国映画の『中天~レストレス~』『飛天舞~アウトライブ~』
そして武侠熱が高まってきたところで、
前々から購入してはいたが全く封を開けていなかったレッドクリフを開封して
ようやく観てみました。
TVでは流し観してはいましたが
これはかなりの傑作ですな。
久しぶりによかった。見ごたえあったね。
さすがジョン・ウー。
でも本当に、今更ですな。はっはっはっはー
『レッドクリフ~赤壁~』
主演:トニー・レオン、金城武、チャン・フォンイー
監督:ジョン・ウー
製作:中国、日本他合作、2008年
やはり中国人にとって特別な思い入れのある作品なのか、
原作を大きく改変していない丁寧な作りでしたね。
まあ、そのままとは言えないし、
拾っていないエピソードや登場人物もたくさんあるので、
それらも盛り込めばもっともっと面白くなる可能性はあったと思います。
でも一般映画ファンのことを考えると
くどくならない程度のギリギリだったのではないでしょうか。
【内容】
三国志でも5本の指に入る有名な合戦、赤壁の戦いを題材とした作品。
赤壁の戦いとは、
中国後漢末期(西暦208年頃)。
河北の雄にして、漢朝の名門の末裔、袁紹を討ち果たした曹操は、
その矛先を南方へと向ける。
立ちはだかるは荊州に勢力を広げる劉表。
劉表の元には、勝ち知らずの歴戦の雄、劉備が身を寄せていた。
しかし、劉表は病に倒れ、その家臣たちは曹操を恐れ、あっさりと投降する。
易々と荊州を手にした曹操は、次の標的を長江の対岸、
江南一帯に勢力を広げる孫権を選んだ。
孫権は、孫子の兵法で有名な、かの孫武の子孫である。
その父孫堅は、曹操と同世代の名将で、
かつての黄巾の乱、董卓の乱でも曹操に勝る活躍を見せた。
しかし劉表の配下により暗殺され、志半ばにして倒れる。
その跡を継ぎ、現勢力を打ち立てた兄、孫策も若くして倒れる。
孫権は大きな戦いを知らず、
その勢力を若いままにして受け継ぐ。
物語はこのような背景のもと、
荊州から逃亡する劉備を曹操が追撃する場面から始まる。
※内容を語ると長くなるのでこの辺で割愛。あとは映画を見てね。
【感想】
既に冒頭でも興奮して語ってしまったが、
中国映画にしては非常に丁寧なつくりだ。
最近の中国映画はいいね。香港映画の時代劇はとにかくひどい。
ま、突っ込みどころもない訳ではないが、
ほぼ演義寄りの書き方だね。
時間の都合上、ホウ統の件とか、関羽の曹操逃がす件とか削っちゃたけどね。
でもオリジナル要素の尚香や小喬から観たシーンも面白かった。
諸葛亮のエピソードは
変にオカルトにしなかったところもよかったと思う。
唯一の不満。
それは曹操陣営の描き方くらいだろうか。
いや、悪役としてはよいのかもしれないけど
あれじゃ、つまんないただの悪役だよね。
曹操描くなら、ひと癖盛らなくちゃ。
曹操を演じた張豊毅という役者ですが、
皮肉にもこの人は映画『項羽と劉邦』で劉邦を演じた役者さんだね。
あとは『始皇帝暗殺』で荊軻も演じているね。
シブい配役だ。
彼ならもっと深みのある役柄も演じられたのではないかな。
天下を己のものとしようとする野心にあふれる男ではなく、
天下平定のために敢て「義」とは反対の道を進む男。曹操。
そして戦いの中、果てていく兵士たちを心配し、彼らのために勝利を誓い、
ある意味、後に引くことが誰よりも許されない立場。
そして、曹操の権力ではなく、彼自身に惹かれ、従う名将、賢臣たち。
そのためにも彼の臣下を丁寧に描くべきだったと思う。
作中では、彼の家臣があまりに単純、愚鈍に描かれすぎ。
典型的なやられ役じゃないか。
で、彼を赤壁の火計に追い込んでいくためにも
彼の陣中に曹操を惑わす役割が必要であって、
そこに伏龍諸葛亮の好敵手、鳳雛ホウ統という存在が光ってくるのだ。
人材をこよなく愛し、コレクターともいえる曹操が手に入れた、
諸葛亮を上回る(かもしれない)逸材。
そして彼が献策する火計返し。しかし実はそれ自体が罠・・・みたいな。
そして、赤壁で完膚なきまでにやられた曹操。
彼を生かすために犠牲になろうとする彼の臣下たち。
あと一歩というところまで追いつめながらも
彼を倒せないもどかしさ。
そして最後に関羽のエピソード。
ここまで描いて物語、赤壁だと僕は思うのだ。
そういった意味では、ラストは不満だった。
あれだけ犠牲をたくさん出しておいて、
すぐにやれる状況であったのに、敢て曹操を逃がすなんて、
あまりに戦をバカにしたラスト。
あれはなかったね。
あれだけの長さになったんだから、
もっと伏線を盛り込んで、人物を深く映画いて
人間群像劇という感じを強く出してほしかった。
登場する人物が全て魅力的みたいな。
ちなみにキャスト的な部分で言うと
〇金城武の孔明。
→いいね。変に俗世から抜けてない感じがいい。
〇トニーレオンの周瑜。
→悪くない。最初は諸葛亮役でのオファーだったらしいけど諸葛亮よりは周瑜よりかな。
でもどちらかといえば美周郎にはこれぞ色男というキャストを充ててほしかった。
アンディ・ラウ。またはレオン・ライかな。あとはイーキンチェンとか。
基本長髪キャラだね。
〇チャンチェンの孫権。
→若さ的には彼で正解。でももっとガチっとした人でもよかったかな。
〇ヴィッキーチャオの尚香。
→GJ!!おてんば少女役がまだ行ける30オーバーの女優は彼女だけか。
ちなみに最近職場に彼女に凄く似た新人が入ってきた。
なんかこころなしかヴィッキーの作品を最近よく見るようになったな。
〇リンチーリンの小喬。
→美しい。彼女以外でもよかったけど、彼女で正解だね。
香港好きの俺はセシリア・チャンとか出てきたけど、名前がね。それにもう年齢が・・・
〇中村獅堂の甘興。
→悪くないけど、別に獅堂じゃなくてもという感想。
いい役だったとは思うが、なんか違和感を感じた。
〇チャンフォンイーの曹操。
→個人的には『関雲長』の影響もあって、チアン・ウェンの曹操が観たかった。
彼が演じた曹操はすごく魅力的でした。
〇劉備、関羽、張飛
→それぞれ演じるキャラ自体が濃いこともあって、
みなさん、イメージを壊さないキャストだったと思います。
でも関羽役はなんでモンゴルの俳優なんだろう。違和感あったな。
〇フージュンの趙雲。
→結構、五虎将の中では、本作中重要な役割だったこともあり、
フージュン大活躍してましたね。
でも彼は僕の中で「華」がないんですわ。
インファナルアフェアでも、脇役的な渋い役柄だったし、
どちらかといえば『孫文の義士団』での悪役っぷりがすごいカッコよかった。
でも確かに色男を前面に出してなくて、爽やかで誠実っちゃそうだったな。
でもやっぱり僕は周瑜との絡みが多いからこそ、
本作では趙雲をアンディ・ラウに演じてもらいたかった。
で、トニーとの絡み。観たかったなー
ちなみに
周瑜役としてチョウユンファはなくてよかった。
彼が出たら、曹操役が薄くなってしまいますわ。
どちらかというと五丈原の戦いあたりの諸葛亮役なんかあってるかと思います。
でかいし。
趙雲役としてのチョン・ウソン。
『中天』『武士(ムサ)』で彼の槍さばきを観ましたが、
これが実現したら意外とアクション映画としても見ごたえアップしたかもしれません。
それに彼は愚直なまでの忠実さ、一途さとか演じたら似合うし、
男前としてもイケるし、彼だったら俺も納得ですわ。
ちなみにコリン・チョウは悪役が染みついて、もう無理。
曹操役の渡辺謙。
これはこれでよいけど、悪役がカッコよくなりすぎるでしょ。
渡辺謙は、初期の曹操くらいがいい。
ちょっと俺の中でアクティブなイメージがある。
曹操主役にするなら、彼でもいいかな。
【評価】
満足!!
10点/10点満点中
ぜひ、続編ならぬ次回作が観たい。
次は呂布を主人公にした作品がみたいな。
孤高の武人としての孤独。
貂蝉とのロマンス。悲恋。
虎狼関の戦いとかね。
呂布役はドニー・イエン。
董卓役はサモハン・キンポー。
ジメジメと、暗い天気が続いています。
こんな日は外出するのもおっくうなので、
おうちで映画を観ます。
今日、セレクトした映画は、
韓国映画の『中天~レストレス~』『飛天舞~アウトライブ~』
そして武侠熱が高まってきたところで、
前々から購入してはいたが全く封を開けていなかったレッドクリフを開封して
ようやく観てみました。
TVでは流し観してはいましたが
これはかなりの傑作ですな。
久しぶりによかった。見ごたえあったね。
さすがジョン・ウー。
でも本当に、今更ですな。はっはっはっはー
『レッドクリフ~赤壁~』
主演:トニー・レオン、金城武、チャン・フォンイー
監督:ジョン・ウー
製作:中国、日本他合作、2008年
やはり中国人にとって特別な思い入れのある作品なのか、
原作を大きく改変していない丁寧な作りでしたね。
まあ、そのままとは言えないし、
拾っていないエピソードや登場人物もたくさんあるので、
それらも盛り込めばもっともっと面白くなる可能性はあったと思います。
でも一般映画ファンのことを考えると
くどくならない程度のギリギリだったのではないでしょうか。
【内容】
三国志でも5本の指に入る有名な合戦、赤壁の戦いを題材とした作品。
赤壁の戦いとは、
中国後漢末期(西暦208年頃)。
河北の雄にして、漢朝の名門の末裔、袁紹を討ち果たした曹操は、
その矛先を南方へと向ける。
立ちはだかるは荊州に勢力を広げる劉表。
劉表の元には、勝ち知らずの歴戦の雄、劉備が身を寄せていた。
しかし、劉表は病に倒れ、その家臣たちは曹操を恐れ、あっさりと投降する。
易々と荊州を手にした曹操は、次の標的を長江の対岸、
江南一帯に勢力を広げる孫権を選んだ。
孫権は、孫子の兵法で有名な、かの孫武の子孫である。
その父孫堅は、曹操と同世代の名将で、
かつての黄巾の乱、董卓の乱でも曹操に勝る活躍を見せた。
しかし劉表の配下により暗殺され、志半ばにして倒れる。
その跡を継ぎ、現勢力を打ち立てた兄、孫策も若くして倒れる。
孫権は大きな戦いを知らず、
その勢力を若いままにして受け継ぐ。
物語はこのような背景のもと、
荊州から逃亡する劉備を曹操が追撃する場面から始まる。
※内容を語ると長くなるのでこの辺で割愛。あとは映画を見てね。
【感想】
既に冒頭でも興奮して語ってしまったが、
中国映画にしては非常に丁寧なつくりだ。
最近の中国映画はいいね。香港映画の時代劇はとにかくひどい。
ま、突っ込みどころもない訳ではないが、
ほぼ演義寄りの書き方だね。
時間の都合上、ホウ統の件とか、関羽の曹操逃がす件とか削っちゃたけどね。
でもオリジナル要素の尚香や小喬から観たシーンも面白かった。
諸葛亮のエピソードは
変にオカルトにしなかったところもよかったと思う。
唯一の不満。
それは曹操陣営の描き方くらいだろうか。
いや、悪役としてはよいのかもしれないけど
あれじゃ、つまんないただの悪役だよね。
曹操描くなら、ひと癖盛らなくちゃ。
曹操を演じた張豊毅という役者ですが、
皮肉にもこの人は映画『項羽と劉邦』で劉邦を演じた役者さんだね。
あとは『始皇帝暗殺』で荊軻も演じているね。
シブい配役だ。
彼ならもっと深みのある役柄も演じられたのではないかな。
天下を己のものとしようとする野心にあふれる男ではなく、
天下平定のために敢て「義」とは反対の道を進む男。曹操。
そして戦いの中、果てていく兵士たちを心配し、彼らのために勝利を誓い、
ある意味、後に引くことが誰よりも許されない立場。
そして、曹操の権力ではなく、彼自身に惹かれ、従う名将、賢臣たち。
そのためにも彼の臣下を丁寧に描くべきだったと思う。
作中では、彼の家臣があまりに単純、愚鈍に描かれすぎ。
典型的なやられ役じゃないか。
で、彼を赤壁の火計に追い込んでいくためにも
彼の陣中に曹操を惑わす役割が必要であって、
そこに伏龍諸葛亮の好敵手、鳳雛ホウ統という存在が光ってくるのだ。
人材をこよなく愛し、コレクターともいえる曹操が手に入れた、
諸葛亮を上回る(かもしれない)逸材。
そして彼が献策する火計返し。しかし実はそれ自体が罠・・・みたいな。
そして、赤壁で完膚なきまでにやられた曹操。
彼を生かすために犠牲になろうとする彼の臣下たち。
あと一歩というところまで追いつめながらも
彼を倒せないもどかしさ。
そして最後に関羽のエピソード。
ここまで描いて物語、赤壁だと僕は思うのだ。
そういった意味では、ラストは不満だった。
あれだけ犠牲をたくさん出しておいて、
すぐにやれる状況であったのに、敢て曹操を逃がすなんて、
あまりに戦をバカにしたラスト。
あれはなかったね。
あれだけの長さになったんだから、
もっと伏線を盛り込んで、人物を深く映画いて
人間群像劇という感じを強く出してほしかった。
登場する人物が全て魅力的みたいな。
ちなみにキャスト的な部分で言うと
〇金城武の孔明。
→いいね。変に俗世から抜けてない感じがいい。
〇トニーレオンの周瑜。
→悪くない。最初は諸葛亮役でのオファーだったらしいけど諸葛亮よりは周瑜よりかな。
でもどちらかといえば美周郎にはこれぞ色男というキャストを充ててほしかった。
アンディ・ラウ。またはレオン・ライかな。あとはイーキンチェンとか。
基本長髪キャラだね。
〇チャンチェンの孫権。
→若さ的には彼で正解。でももっとガチっとした人でもよかったかな。
〇ヴィッキーチャオの尚香。
→GJ!!おてんば少女役がまだ行ける30オーバーの女優は彼女だけか。
ちなみに最近職場に彼女に凄く似た新人が入ってきた。
なんかこころなしかヴィッキーの作品を最近よく見るようになったな。
〇リンチーリンの小喬。
→美しい。彼女以外でもよかったけど、彼女で正解だね。
香港好きの俺はセシリア・チャンとか出てきたけど、名前がね。それにもう年齢が・・・
〇中村獅堂の甘興。
→悪くないけど、別に獅堂じゃなくてもという感想。
いい役だったとは思うが、なんか違和感を感じた。
〇チャンフォンイーの曹操。
→個人的には『関雲長』の影響もあって、チアン・ウェンの曹操が観たかった。
彼が演じた曹操はすごく魅力的でした。
〇劉備、関羽、張飛
→それぞれ演じるキャラ自体が濃いこともあって、
みなさん、イメージを壊さないキャストだったと思います。
でも関羽役はなんでモンゴルの俳優なんだろう。違和感あったな。
〇フージュンの趙雲。
→結構、五虎将の中では、本作中重要な役割だったこともあり、
フージュン大活躍してましたね。
でも彼は僕の中で「華」がないんですわ。
インファナルアフェアでも、脇役的な渋い役柄だったし、
どちらかといえば『孫文の義士団』での悪役っぷりがすごいカッコよかった。
でも確かに色男を前面に出してなくて、爽やかで誠実っちゃそうだったな。
でもやっぱり僕は周瑜との絡みが多いからこそ、
本作では趙雲をアンディ・ラウに演じてもらいたかった。
で、トニーとの絡み。観たかったなー
ちなみに
周瑜役としてチョウユンファはなくてよかった。
彼が出たら、曹操役が薄くなってしまいますわ。
どちらかというと五丈原の戦いあたりの諸葛亮役なんかあってるかと思います。
でかいし。
趙雲役としてのチョン・ウソン。
『中天』『武士(ムサ)』で彼の槍さばきを観ましたが、
これが実現したら意外とアクション映画としても見ごたえアップしたかもしれません。
それに彼は愚直なまでの忠実さ、一途さとか演じたら似合うし、
男前としてもイケるし、彼だったら俺も納得ですわ。
ちなみにコリン・チョウは悪役が染みついて、もう無理。
曹操役の渡辺謙。
これはこれでよいけど、悪役がカッコよくなりすぎるでしょ。
渡辺謙は、初期の曹操くらいがいい。
ちょっと俺の中でアクティブなイメージがある。
曹操主役にするなら、彼でもいいかな。
【評価】
満足!!
10点/10点満点中
ぜひ、続編ならぬ次回作が観たい。
次は呂布を主人公にした作品がみたいな。
孤高の武人としての孤独。
貂蝉とのロマンス。悲恋。
虎狼関の戦いとかね。
呂布役はドニー・イエン。
董卓役はサモハン・キンポー。