今日は、GWにも関わらず、雨で外出する気にもならないので、
家でレンタルしてきたDVDを観ていた。
今日見た作品は『ムカデ人間』と『ホステル3』
とっても病んでるチョイスだ。
『ムカデ人間』についてのレビューは後日また書くことにして、
今日は『ホステル3』を観ての感想を。
『SAW』という作品が世に出てから、
シチュエーションホラーというホラーのジャンルが有名になり、
多くの亜流作品が大量にレンタルビデオ屋に出回るようになった。
つまり、訳も分からないまま、登場人物が危機的状況に置かれ、
そのパニックに陥る様をスリリングに描くというホラー表現手法である。
『SAW』なんかはちょっと違うが、
いわば、因果ではなく、訳も分からないまま特殊な状況に置かれるという手法が、
誰もが犠牲者になりうるという恐怖感を生み出す。
『ホステル』もそういった作品の一つだ。
概要を簡単に説明すると、
ヨーロッパ旅行を楽しむ若者が、あるホテルに宿泊したために、
金持ちを対象とした変態殺人体験クラブの犠牲者になってしまう。
物語は、その犠牲者である旅行者の視線で描かれる。
1では、完全に犠牲者目線で物語が進められ、
観客は、自分にも起こりうるリアル感と、
謎の組織的変態クラブの存在に恐怖する。
それを残虐なスプラッター表現で、淡々と演出する。
2では、変態クラブの客側の視点も織り交ぜ、
組織の概要について語りつつも、
前作同様の残虐描写による恐怖を演出する。
ただし、残虐描写自体に代わり映えはなく、
前作のインパクトを超えることはできなかった。
肝心なストーリーもいまいちで、最後のどんでん返しもイマイチ冴えない。
3では、ヨーロッパの辺鄙な国から、アメリカのラスベガスへと舞台を変え、
殺人体験ショーから、殺人方法を第3者の観客が賭けて楽しむギャンブルへと
微妙にニュアンスが変化している。
これがマズい。
アメリカ人がアメリカで事件に巻き込まれたら、
政府や関係機関が動かざるを得なくなる。
例え、そのバックに資産家や有力者がいたとしてもだ。
その犠牲者にも、そうした階級の身うちが関わる可能性がある。
あのホステルの恐怖感は、見知らぬ外国、
しかもスロバキアという社会主義国家でこそ生まれるのだ。
政府などの公的機関と、裏組織が繋がっているかもしれないという、
誰も信用できない、誰にも助けを期待できない状況下でこそ生まれる恐怖だ。
それをわざわざアメリカ国内に舞台を移す意味が分からない。
ましてや殺人を楽しもうとする客側も、
アメリカ人じゃない人種を選べるし、外国人はアメリカ人を殺せることに
快楽を感じているし、だからこそ残虐になれる。
それを同じ国の人間が同じ国の同じ人種を殺す。
そこが普通の人間が残虐になれるという心理をよく理解していない。
最後に、客が人を殺す際に、第三者に見られること。
客がそれを望む訳はない。
なぜなら自分の弱さを第三者に自ら提供することになるからだ。
また、賭けということで多数の第三者が関係することも
犯罪行為の露呈の可能性を生み出すので決して危険だ。
なぜなら、賭け自体は犯罪ではないが、
殺人は犯罪だ。
ショーケースの向こうの人間は、犠牲者も、殺人者も危険にさらされるが
こちら側の人間は危険ではない。
その段階で、この殺人体験クラブという商売が成り立つ訳がない。
という感じで、設定が非常に幼稚な挙句、
最後は、非常にアメリカ的なベタな展開。
しかも話の持って生き方がすごく急いだ感じで、とても雑。
悪役も稚拙な描写で、浅い。
もはや『ホステル』の持つ要素、主旨は一切残っておらず、
設定だけを借りた、ベタなスプラッターホラーサスペンスへとなり下がってしまった。
別に『ホステル』のファンでもなんでもないが
ホラー映画ファンとしては非常に残念な結果だ。
これは続編ではなく、亜流作品として捉えた方がよかろう。
あくまでも個人的な意見だが、
『ホステル』の場合は、続編はこういう展開が望ましい。
まず、2作目では、
犠牲者目線をそのまま踏襲すると、1作目の焼き増しにしかならないので
殺人者となる客側の目線という描き方はよいと思う。
主人公Aは、ゲームを製作し、成功した若き青年実業家。
ホラー映画好きで、彼が作るゲームも残虐的・暴力的な内容のもの。
ある時、関係者に誘われ、エリートハンティングクラブへと関わることになる。
そういうものに興味のあった彼は、
いざなわれるままクラブの会員へとなる。
一方、もう一人の主人公Bは女性。犠牲者側視点の主役だ。
恋人とケンカ別れをし、気を紛らわせるために
親友やその男友達とともに海外旅行を計画する。
そしてその旅先でエリートハンティングクラブの標的とされる。
Aの視点で、殺人クラブの概要が説明されていく。
一方、Bの視点では、再び旅行者が犠牲となる流れを描いていく。
映画としては、やはりラストのどんでん返しが必要なところである。
Aが初めて殺人を犯す場面。
ターゲットはB。
Bは目隠し、猿ぐつわをされて何も話せない。もがくだけ。
Aは相手が女性ということで興奮する。
そしてBの抵抗がありながらも、Aは最終的にBを殺害する。
しかし、ゲームや映画と違うリアルな「殺し」「死体」に彼はとまどう。
最後にAは気付く。見覚えのある死体の腕にあるタトゥーに。
BはAのかつての恋人であった。
そしてBは絶望する。
数日後、
帰国したAは
罪悪感から、友人である弁護士に酔った勢いでそのことを告白する。
実はその弁護士もクラブの会員で、
酔ったAが目覚めると、
今度は彼がクラブのターゲットとされていた・・・
そして殺人者は友人である弁護士であった。
もし3作目を作るなら、残された手法は一つ。
組織の壊滅である。
シチュエーションホラーとしての面白みは既に前作で描いている。
そして殺人者側の恐怖は2作目で描いている
最後は全貌を描き出し、勧善懲悪のスカッとする復讐劇でラストというのが
お決まりだろうか。
しかし犠牲者が普通に逃げ出して、
その騒ぎで組織が自滅するという展開はありきたりすぎて面白くない。
そこで、多少反則気味であるが「反則技」を使うことにする。
今回の主人公は二人の男性。
一人は、スーツを着たサラリーマン風の男。
メガネをかけたまじめそうな30代半ばの男。
彼は犠牲者側の視点を引き受ける。彼をCとする。
もう一人の主人公はクラブを捜査する当局関係者。
FBIと言いたいところだが舞台はスロバキアなのでFBIだと不自然か。
インターポールか、アメリカ政府の圧力を受けて、
スロバキア政府がようやく重い腰を上げたとでもするか。
主人公Cは、何らかの商談を取り付けるためにスロバキアを訪れる。
彼は一見弱弱しく、また誘惑にも弱い典型的なサラリーマンだ。
Cは電話での商談を取り付け、成功祝いにバーで酒を飲む。
そんな彼に、セクシーな女性が彼に近づいてくる。女はクラブのスタッフだ。
Cをターゲットとして近づいて来るのだが、
Cはとぼけた感じで、幸運にも女が仕掛けた罠を潜り抜ける。
バーからホテルに戻る帰り。
彼は、暴漢に襲われる女性から助けを求められる。
女性は彼にこう伝える。
友達がさらわれた。助けてほしい。
Cは女性を連れて逃げるが、結局見つかり、暴漢たちに気絶させられる。
場面は変わり、もう一人の主人公である捜査官(Dとする)に視点が移る。
男はFBI捜査官。
彼が捜査するのは、ある青年実業家(2作目の主人公)の失踪(殺人)事件。
捜査の中で、彼らの遺留品からあるものを見つける。
エリートハンティングクラブに関係する資料。
そんな中、アメリカ人旅行客がスロバキアにて何人も消息を断っていることに気付く。
そして、1作目で、なんとか逃げ出した男(ジョッシュ)が登場する。
彼は、精神病院で薬づけにされていた。
Dは彼からある証言を引き出す。
周囲からバカにされつつも殺人クラブの存在に確信を持つD。
そんな彼の前にある政治家から呼び出しがかかる。
彼によると、選挙戦の相手のゴシップをつかんだが、確証がないという。
そのゴシップとは、彼がとある殺人クラブの顧客だというのだ。
そして、Dはスロバキアへと飛ぶことになる。
再び場面は変わり、
目覚めると、最初の主人公が椅子に拘束されている。
目の前では、神経質そうな男が
無機質な道具を手入れしていた。のこぎり。ドリル。チェーンソー・・・
Cは一瞬で状況を悟る。
辞めろ、辞めてくれ。Cは泣き叫ぶ。
しかし男は動きを止めない。
そうはいかない。このために大金を積んだんだ。
Cの表情が一瞬凍り、こうつぶやく。
きっと後悔する・・・
しかし、男は不気味に笑いながら、男に近づく。
チェーンソーが大きな音を立てて動き出す。。
そして画面がブラックアウトし、断末魔の叫び声が響く。
また場面は変わり、Dと現地警察による捜査状況を描く。
その中で、Dたちはとある都市伝説を耳にする。
旅をする若い夫婦。
夫婦はあるホテルに宿泊した。
夜、目が覚めると、妻がいない。
夫は死に物狂いで妻を探す。
しかしどんなに探しても妻は見つからない。
どうしていいかわからない夫は、あるバーで絶望に暮れ、酔い潰れる。
ある男が夫に近づいてくる。
妻に会いたいか。
夫は会いたいと言う。
ならば明日、大金(相場が分からん)をもってまたバーに来いという。
翌日、縄にもすがるつもりでバーに金をもって来た夫。
夫はある地下クラブに連れて行かれる。
そこで男は暗い湿った部屋で妻と再会する。
椅子に拘束された妻と。
その地下クラブは、大金と引き換えに殺人を楽しむことができるクラブだという。
Dはその噂の元とされるホテルに聞き込みに訪れる。
ホテルスタッフと客たちの異常に気付いたDは、強硬的に部屋を捜索する。
そして隠し扉の存在に気づく。
Dは結局クラブの場所を突き止め、特殊部隊と共に強制捜査を行うが、
そこには全てが燃え、クラブの経営者、スタッフと思われる死体、
顧客と思われる金持ちたちの死体だけが転がっていた。
何が起きたのか?
捜査の結果、顧客たちの殺害シーンを隠し撮りしていたビデオが見つかる。
そのビデオを見る。
場面は変わり、
Cが殺害される場面に戻る。
男が倒れる。しかしそれはCではなく、クラブの顧客であった。
カメラはCの姿を映し出す。
Cはナイフを持ち、廊下に出る。
銃を構えて慌てて現れるクラブスタッフ。
その屈強な身体めがけてCはナイフを投げる。
ナイフは見事男の額に刺さり、男は倒れる。
Cは殺し屋だった。
彼の商談相手は、クラブの顧客であるとある政治家。
彼はクラブと縁を切りたがったが、
クラブは彼の殺人現場をおさめたビデオを武器に、彼を脅迫していた。
そして、その魔手は彼にも襲いかかる。
しかし彼は先手を打って、名うての殺し屋にクラブの壊滅と、
ビデオの消滅を依頼していたのである。
Cは次々とクラブスタッフや顧客たちを残虐な方法で、淡々と殺していく。
そして経営者の部屋に。
経営者は冷静に男に取引を持ちかける。
金をやろう。目がくらむほどの大金を。
その代わり、このままここから出て行くように。
Cは黙って経営者の額を銃で撃つ。2発。
そして部屋に火を放ち、その場を立ち去る。
主要な部分だけ書きだしたのですごく単純な展開だが、
これに主人公かと思わせるような脇役をたくさん登場させ、
彼らが殺されるシーンを入れていき、
殺し屋Cもその一人と思わせる演出をすれば、
最後のどんでん返しも生きてくると思う。
あとはCの役者をどれだけ弱弱しく見える男を選ぶかだ。
で、どちらかといえば、Dの動きに焦点を充てて、
DたちはCや他の犠牲者たちが殺されるのに間に合うのか、
というスリリングな展開にすると、なおさら落ちが生きてくる。
Cがサイコというオチも考えたが、
銃相手じゃサイコは生きてこないからね。
家でレンタルしてきたDVDを観ていた。
今日見た作品は『ムカデ人間』と『ホステル3』
とっても病んでるチョイスだ。
『ムカデ人間』についてのレビューは後日また書くことにして、
今日は『ホステル3』を観ての感想を。
『SAW』という作品が世に出てから、
シチュエーションホラーというホラーのジャンルが有名になり、
多くの亜流作品が大量にレンタルビデオ屋に出回るようになった。
つまり、訳も分からないまま、登場人物が危機的状況に置かれ、
そのパニックに陥る様をスリリングに描くというホラー表現手法である。
『SAW』なんかはちょっと違うが、
いわば、因果ではなく、訳も分からないまま特殊な状況に置かれるという手法が、
誰もが犠牲者になりうるという恐怖感を生み出す。
『ホステル』もそういった作品の一つだ。
概要を簡単に説明すると、
ヨーロッパ旅行を楽しむ若者が、あるホテルに宿泊したために、
金持ちを対象とした変態殺人体験クラブの犠牲者になってしまう。
物語は、その犠牲者である旅行者の視線で描かれる。
1では、完全に犠牲者目線で物語が進められ、
観客は、自分にも起こりうるリアル感と、
謎の組織的変態クラブの存在に恐怖する。
それを残虐なスプラッター表現で、淡々と演出する。
2では、変態クラブの客側の視点も織り交ぜ、
組織の概要について語りつつも、
前作同様の残虐描写による恐怖を演出する。
ただし、残虐描写自体に代わり映えはなく、
前作のインパクトを超えることはできなかった。
肝心なストーリーもいまいちで、最後のどんでん返しもイマイチ冴えない。
3では、ヨーロッパの辺鄙な国から、アメリカのラスベガスへと舞台を変え、
殺人体験ショーから、殺人方法を第3者の観客が賭けて楽しむギャンブルへと
微妙にニュアンスが変化している。
これがマズい。
アメリカ人がアメリカで事件に巻き込まれたら、
政府や関係機関が動かざるを得なくなる。
例え、そのバックに資産家や有力者がいたとしてもだ。
その犠牲者にも、そうした階級の身うちが関わる可能性がある。
あのホステルの恐怖感は、見知らぬ外国、
しかもスロバキアという社会主義国家でこそ生まれるのだ。
政府などの公的機関と、裏組織が繋がっているかもしれないという、
誰も信用できない、誰にも助けを期待できない状況下でこそ生まれる恐怖だ。
それをわざわざアメリカ国内に舞台を移す意味が分からない。
ましてや殺人を楽しもうとする客側も、
アメリカ人じゃない人種を選べるし、外国人はアメリカ人を殺せることに
快楽を感じているし、だからこそ残虐になれる。
それを同じ国の人間が同じ国の同じ人種を殺す。
そこが普通の人間が残虐になれるという心理をよく理解していない。
最後に、客が人を殺す際に、第三者に見られること。
客がそれを望む訳はない。
なぜなら自分の弱さを第三者に自ら提供することになるからだ。
また、賭けということで多数の第三者が関係することも
犯罪行為の露呈の可能性を生み出すので決して危険だ。
なぜなら、賭け自体は犯罪ではないが、
殺人は犯罪だ。
ショーケースの向こうの人間は、犠牲者も、殺人者も危険にさらされるが
こちら側の人間は危険ではない。
その段階で、この殺人体験クラブという商売が成り立つ訳がない。
という感じで、設定が非常に幼稚な挙句、
最後は、非常にアメリカ的なベタな展開。
しかも話の持って生き方がすごく急いだ感じで、とても雑。
悪役も稚拙な描写で、浅い。
もはや『ホステル』の持つ要素、主旨は一切残っておらず、
設定だけを借りた、ベタなスプラッターホラーサスペンスへとなり下がってしまった。
別に『ホステル』のファンでもなんでもないが
ホラー映画ファンとしては非常に残念な結果だ。
これは続編ではなく、亜流作品として捉えた方がよかろう。
あくまでも個人的な意見だが、
『ホステル』の場合は、続編はこういう展開が望ましい。
まず、2作目では、
犠牲者目線をそのまま踏襲すると、1作目の焼き増しにしかならないので
殺人者となる客側の目線という描き方はよいと思う。
主人公Aは、ゲームを製作し、成功した若き青年実業家。
ホラー映画好きで、彼が作るゲームも残虐的・暴力的な内容のもの。
ある時、関係者に誘われ、エリートハンティングクラブへと関わることになる。
そういうものに興味のあった彼は、
いざなわれるままクラブの会員へとなる。
一方、もう一人の主人公Bは女性。犠牲者側視点の主役だ。
恋人とケンカ別れをし、気を紛らわせるために
親友やその男友達とともに海外旅行を計画する。
そしてその旅先でエリートハンティングクラブの標的とされる。
Aの視点で、殺人クラブの概要が説明されていく。
一方、Bの視点では、再び旅行者が犠牲となる流れを描いていく。
映画としては、やはりラストのどんでん返しが必要なところである。
Aが初めて殺人を犯す場面。
ターゲットはB。
Bは目隠し、猿ぐつわをされて何も話せない。もがくだけ。
Aは相手が女性ということで興奮する。
そしてBの抵抗がありながらも、Aは最終的にBを殺害する。
しかし、ゲームや映画と違うリアルな「殺し」「死体」に彼はとまどう。
最後にAは気付く。見覚えのある死体の腕にあるタトゥーに。
BはAのかつての恋人であった。
そしてBは絶望する。
数日後、
帰国したAは
罪悪感から、友人である弁護士に酔った勢いでそのことを告白する。
実はその弁護士もクラブの会員で、
酔ったAが目覚めると、
今度は彼がクラブのターゲットとされていた・・・
そして殺人者は友人である弁護士であった。
もし3作目を作るなら、残された手法は一つ。
組織の壊滅である。
シチュエーションホラーとしての面白みは既に前作で描いている。
そして殺人者側の恐怖は2作目で描いている
最後は全貌を描き出し、勧善懲悪のスカッとする復讐劇でラストというのが
お決まりだろうか。
しかし犠牲者が普通に逃げ出して、
その騒ぎで組織が自滅するという展開はありきたりすぎて面白くない。
そこで、多少反則気味であるが「反則技」を使うことにする。
今回の主人公は二人の男性。
一人は、スーツを着たサラリーマン風の男。
メガネをかけたまじめそうな30代半ばの男。
彼は犠牲者側の視点を引き受ける。彼をCとする。
もう一人の主人公はクラブを捜査する当局関係者。
FBIと言いたいところだが舞台はスロバキアなのでFBIだと不自然か。
インターポールか、アメリカ政府の圧力を受けて、
スロバキア政府がようやく重い腰を上げたとでもするか。
主人公Cは、何らかの商談を取り付けるためにスロバキアを訪れる。
彼は一見弱弱しく、また誘惑にも弱い典型的なサラリーマンだ。
Cは電話での商談を取り付け、成功祝いにバーで酒を飲む。
そんな彼に、セクシーな女性が彼に近づいてくる。女はクラブのスタッフだ。
Cをターゲットとして近づいて来るのだが、
Cはとぼけた感じで、幸運にも女が仕掛けた罠を潜り抜ける。
バーからホテルに戻る帰り。
彼は、暴漢に襲われる女性から助けを求められる。
女性は彼にこう伝える。
友達がさらわれた。助けてほしい。
Cは女性を連れて逃げるが、結局見つかり、暴漢たちに気絶させられる。
場面は変わり、もう一人の主人公である捜査官(Dとする)に視点が移る。
男はFBI捜査官。
彼が捜査するのは、ある青年実業家(2作目の主人公)の失踪(殺人)事件。
捜査の中で、彼らの遺留品からあるものを見つける。
エリートハンティングクラブに関係する資料。
そんな中、アメリカ人旅行客がスロバキアにて何人も消息を断っていることに気付く。
そして、1作目で、なんとか逃げ出した男(ジョッシュ)が登場する。
彼は、精神病院で薬づけにされていた。
Dは彼からある証言を引き出す。
周囲からバカにされつつも殺人クラブの存在に確信を持つD。
そんな彼の前にある政治家から呼び出しがかかる。
彼によると、選挙戦の相手のゴシップをつかんだが、確証がないという。
そのゴシップとは、彼がとある殺人クラブの顧客だというのだ。
そして、Dはスロバキアへと飛ぶことになる。
再び場面は変わり、
目覚めると、最初の主人公が椅子に拘束されている。
目の前では、神経質そうな男が
無機質な道具を手入れしていた。のこぎり。ドリル。チェーンソー・・・
Cは一瞬で状況を悟る。
辞めろ、辞めてくれ。Cは泣き叫ぶ。
しかし男は動きを止めない。
そうはいかない。このために大金を積んだんだ。
Cの表情が一瞬凍り、こうつぶやく。
きっと後悔する・・・
しかし、男は不気味に笑いながら、男に近づく。
チェーンソーが大きな音を立てて動き出す。。
そして画面がブラックアウトし、断末魔の叫び声が響く。
また場面は変わり、Dと現地警察による捜査状況を描く。
その中で、Dたちはとある都市伝説を耳にする。
旅をする若い夫婦。
夫婦はあるホテルに宿泊した。
夜、目が覚めると、妻がいない。
夫は死に物狂いで妻を探す。
しかしどんなに探しても妻は見つからない。
どうしていいかわからない夫は、あるバーで絶望に暮れ、酔い潰れる。
ある男が夫に近づいてくる。
妻に会いたいか。
夫は会いたいと言う。
ならば明日、大金(相場が分からん)をもってまたバーに来いという。
翌日、縄にもすがるつもりでバーに金をもって来た夫。
夫はある地下クラブに連れて行かれる。
そこで男は暗い湿った部屋で妻と再会する。
椅子に拘束された妻と。
その地下クラブは、大金と引き換えに殺人を楽しむことができるクラブだという。
Dはその噂の元とされるホテルに聞き込みに訪れる。
ホテルスタッフと客たちの異常に気付いたDは、強硬的に部屋を捜索する。
そして隠し扉の存在に気づく。
Dは結局クラブの場所を突き止め、特殊部隊と共に強制捜査を行うが、
そこには全てが燃え、クラブの経営者、スタッフと思われる死体、
顧客と思われる金持ちたちの死体だけが転がっていた。
何が起きたのか?
捜査の結果、顧客たちの殺害シーンを隠し撮りしていたビデオが見つかる。
そのビデオを見る。
場面は変わり、
Cが殺害される場面に戻る。
男が倒れる。しかしそれはCではなく、クラブの顧客であった。
カメラはCの姿を映し出す。
Cはナイフを持ち、廊下に出る。
銃を構えて慌てて現れるクラブスタッフ。
その屈強な身体めがけてCはナイフを投げる。
ナイフは見事男の額に刺さり、男は倒れる。
Cは殺し屋だった。
彼の商談相手は、クラブの顧客であるとある政治家。
彼はクラブと縁を切りたがったが、
クラブは彼の殺人現場をおさめたビデオを武器に、彼を脅迫していた。
そして、その魔手は彼にも襲いかかる。
しかし彼は先手を打って、名うての殺し屋にクラブの壊滅と、
ビデオの消滅を依頼していたのである。
Cは次々とクラブスタッフや顧客たちを残虐な方法で、淡々と殺していく。
そして経営者の部屋に。
経営者は冷静に男に取引を持ちかける。
金をやろう。目がくらむほどの大金を。
その代わり、このままここから出て行くように。
Cは黙って経営者の額を銃で撃つ。2発。
そして部屋に火を放ち、その場を立ち去る。
主要な部分だけ書きだしたのですごく単純な展開だが、
これに主人公かと思わせるような脇役をたくさん登場させ、
彼らが殺されるシーンを入れていき、
殺し屋Cもその一人と思わせる演出をすれば、
最後のどんでん返しも生きてくると思う。
あとはCの役者をどれだけ弱弱しく見える男を選ぶかだ。
で、どちらかといえば、Dの動きに焦点を充てて、
DたちはCや他の犠牲者たちが殺されるのに間に合うのか、
というスリリングな展開にすると、なおさら落ちが生きてくる。
Cがサイコというオチも考えたが、
銃相手じゃサイコは生きてこないからね。