ある夏の話。
お盆休みを利用して、高校の同窓会を開いた。
久しぶりに昔の仲間たちと会った。
何してた?彼女できたか?お前太ったな。
なんて話をしながら酒を飲んでるうちに、気付くと12時を過ぎていた。
結局悪友4人が残り、地元に残った友人Aのアパートで宅飲みをすることとなった。
バカ話をしながら飲んでいると、買い込んだ酒がきれる頃には、もう3時を過ぎていた。
Aが何か面白いことをしないかと言い出した。
夏だし怪談をするかという話が出たが、あいにく誰も霊体験がない。
そこで、どうせなら霊が出ると噂のスポットにみんなで行こうということになった。
Aのアパートから山の方に数キロ向かって離れたとこに、
人家のない一画があり、そこに雑木林がある。
そこは地元の若者がよく使うHスポットだったが、
数年前から中学生くらいの女の子が現れるということで、
今では心霊スポットとして騒がれていた。
正直、俺は乗り気でなかった。
別に怖いからとかそんな理由じゃない。
幽霊が出るってことは人が死んでるってことだ。
そんな悲しい事件があるにも関わらず、肝試しとかする奴の気が知れない。
第一、幽霊なんているもんか。それが俺の見解だった。
しかし酔った勢いもあってか、Aたちの強い押しに負けて、俺も雑木林に行くことにした。
問題の雑木林に着くと、俺ら三人は懐中電灯を片手に奥へと入って行った。
ふとAが話し出した。
A「なぁ、お前ら覚えてるか。俺らが中学の頃に起きた女子中学生の失踪事件」
B「そんなことあったな。てかお前の同級生だったよね」
俺「ああ」
忘れていた記憶が甦ってきた。
俺が中学生の頃、同級生のDという女の子が家出をした。
そしてそのまま行方不明になった。
警察とかも学校に来て、騒ぎになったのを覚えている。
結局戻っくることはなく、誘拐云々の話もなく、
死体も見つからないまま、失踪事件ということで年月とともにうやむやになった。
俺「なんでそんな話をするんだ。よりによってこの場所で」
A「霊を見たというやつに聞いたんだ。女の子の霊は、○○中学の制服を着ていたらしい」
B「○○中学ってお前の学校だよな。もしかしたら女の子の霊ってDだったりして」
一瞬、背筋がゾクっとした。
右側の木々の奥から視線を感じたのだ。
懐中電灯をそちらに向け、目を凝らしてみた。
何か白いぼんやりとしたものが見えている。
C「そう言えばDって可愛かったよな。お前、ひそかにDに惚れてたろ」
確かに俺はDが好きだった。
A「噂だと、その子、家出じゃなくて、
どっかの変態に誘拐されて殺されたんじゃないかって話だぜ」
俺「なぁ、もうやめようぜ」
B「何ビビってんだよ。そんな可愛い女の子なら幽霊でも一度見てみたいし」
C「つーかさ、ここにDの霊が出るってことは、もしかしてここで殺されたとか…」
俺「止めろ。それ以上言うな」
そんなまさか…
信じたくない。霊なんている訳がない。
でも間違いなくあの白い影は中学の制服を着たDだった。
C「そう言えばDが行方不明になった時も、お前やたらビビってたよなぁ」
今ならまだ間に合う。こいつらが気付く前にここから離れなくちゃ。
B「少し奥に行ってみようぜ。もし死体とか見つかったらスゲエじゃん」
死体なんか見つかってたまるか。
A「おい、さっきからお前何をみてんだ」
Aが俺の方を振り向く。
「うわあぁぁ」
遂に三人もDに気付いてしまったようだ。みんな一斉に道路に向かって走り出した。
だから来るべきじゃなかったんだ。
まさか本当にDの幽霊が現れるなんて。
俺は三人の後を必死で追いかけた。
その日を境にAたち三人は消息をたった。
※昔書いた、一瞬分からないがよく考えたら怖い話。
お盆休みを利用して、高校の同窓会を開いた。
久しぶりに昔の仲間たちと会った。
何してた?彼女できたか?お前太ったな。
なんて話をしながら酒を飲んでるうちに、気付くと12時を過ぎていた。
結局悪友4人が残り、地元に残った友人Aのアパートで宅飲みをすることとなった。
バカ話をしながら飲んでいると、買い込んだ酒がきれる頃には、もう3時を過ぎていた。
Aが何か面白いことをしないかと言い出した。
夏だし怪談をするかという話が出たが、あいにく誰も霊体験がない。
そこで、どうせなら霊が出ると噂のスポットにみんなで行こうということになった。
Aのアパートから山の方に数キロ向かって離れたとこに、
人家のない一画があり、そこに雑木林がある。
そこは地元の若者がよく使うHスポットだったが、
数年前から中学生くらいの女の子が現れるということで、
今では心霊スポットとして騒がれていた。
正直、俺は乗り気でなかった。
別に怖いからとかそんな理由じゃない。
幽霊が出るってことは人が死んでるってことだ。
そんな悲しい事件があるにも関わらず、肝試しとかする奴の気が知れない。
第一、幽霊なんているもんか。それが俺の見解だった。
しかし酔った勢いもあってか、Aたちの強い押しに負けて、俺も雑木林に行くことにした。
問題の雑木林に着くと、俺ら三人は懐中電灯を片手に奥へと入って行った。
ふとAが話し出した。
A「なぁ、お前ら覚えてるか。俺らが中学の頃に起きた女子中学生の失踪事件」
B「そんなことあったな。てかお前の同級生だったよね」
俺「ああ」
忘れていた記憶が甦ってきた。
俺が中学生の頃、同級生のDという女の子が家出をした。
そしてそのまま行方不明になった。
警察とかも学校に来て、騒ぎになったのを覚えている。
結局戻っくることはなく、誘拐云々の話もなく、
死体も見つからないまま、失踪事件ということで年月とともにうやむやになった。
俺「なんでそんな話をするんだ。よりによってこの場所で」
A「霊を見たというやつに聞いたんだ。女の子の霊は、○○中学の制服を着ていたらしい」
B「○○中学ってお前の学校だよな。もしかしたら女の子の霊ってDだったりして」
一瞬、背筋がゾクっとした。
右側の木々の奥から視線を感じたのだ。
懐中電灯をそちらに向け、目を凝らしてみた。
何か白いぼんやりとしたものが見えている。
C「そう言えばDって可愛かったよな。お前、ひそかにDに惚れてたろ」
確かに俺はDが好きだった。
A「噂だと、その子、家出じゃなくて、
どっかの変態に誘拐されて殺されたんじゃないかって話だぜ」
俺「なぁ、もうやめようぜ」
B「何ビビってんだよ。そんな可愛い女の子なら幽霊でも一度見てみたいし」
C「つーかさ、ここにDの霊が出るってことは、もしかしてここで殺されたとか…」
俺「止めろ。それ以上言うな」
そんなまさか…
信じたくない。霊なんている訳がない。
でも間違いなくあの白い影は中学の制服を着たDだった。
C「そう言えばDが行方不明になった時も、お前やたらビビってたよなぁ」
今ならまだ間に合う。こいつらが気付く前にここから離れなくちゃ。
B「少し奥に行ってみようぜ。もし死体とか見つかったらスゲエじゃん」
死体なんか見つかってたまるか。
A「おい、さっきからお前何をみてんだ」
Aが俺の方を振り向く。
「うわあぁぁ」
遂に三人もDに気付いてしまったようだ。みんな一斉に道路に向かって走り出した。
だから来るべきじゃなかったんだ。
まさか本当にDの幽霊が現れるなんて。
俺は三人の後を必死で追いかけた。
その日を境にAたち三人は消息をたった。
※昔書いた、一瞬分からないがよく考えたら怖い話。