ゴールド(黄金)。
産出量が少なさ、その黄金の輝きの美しさ。莫大な富と高貴なもの。装飾品と金粉。
求めてやまぬもの。
 太陽系では「太陽」を、身体では「心臓」を象徴。
 若返りの泉、すなわち、「生命の泉」とはこれではないでしょうか?

 第1作、第2作と立て続けの大ヒット、この第3作で人気を不動なものにと製作者は考えます。

 映画の進行の基本が、前回の「原型」からさらに本格的になります。

①「円」が動いて「ガン・バレル・シークエンス」、銃口から始まります。
② そして「円」は収束して消え、短いストーリーが始まります。
 潜水服に頭に水鳥(カモらしい)の疑似物を乗せた姿で水面から登場して、ボンドは走って行きます。この時のステップが非常に軽快で体のキレを感じさせ、その後のボンドを演じる俳優の基準にして「走り方」を観てきました(スタントマンだったりして?)。
 軽快なステップで走り出して、メキシコで革命家ラミレスの工場を爆破して、潜水服を脱ぐと、白いタキシード姿。

 一見、本編と全く関係のないもの。そう言われています。
しかし、数秒のシーンで数ヶ月も準備することもあるボンド映画。だた、観客を引きつけるだけでなく、むしろそこには、暗示と伏線があるのではないかと。ボンドの行動とセリフにヒントがあるかに思います。

③ 続いて、「オープニング・クレジット」。
 有名な映像の中、主題歌をシャーリー・バッシー(Shirley Bassey)が歌います。
 素晴らしい声量と迫力で圧倒します。
 マイケル・ジャクソンも歌いたかったというこの曲の出だしは、

 「Goldfinger He's the man, the man with Midas touch ゴールドフィンガー、 彼こそは(ギリシア神話の)ミダス王の如く、触れるもの全てを金にする男」。
 「A spider's touch such a cold finger その手はまるでクモのように、あまりにも冷たい指で」 
 この主題歌にはっきりとこの映画の方向性が出ています。

④ それから、本編が始まります。

 ストーリー。マイアミに飛んだボンドは、ホテルでイカサマ・トランプをしている、大富豪オーリック・ゴールドフィンガーを邪魔した上、その手伝いをしていたジル・マスターソンと親密に。
 しかし、ゴールドフィンガーの部下オット・ジョブに襲われ気絶。気がつくと、ベッドには、金粉を全身に塗られて死んでいるジルの姿が・・・。
 Mから彼の金の密輸の調査を指示されたボンドは、ゴルフ場で、彼と直接対峙することに。

 Qの自慢の秘密兵器と、現在のGPSのような機能やら色々と装備のついた、ボンド・カーが出てきます。
 鋭い刃の帽子が飛びます。
 欧米で最も人気のある作品の1つです。
 シャーリー・バッシーは、この後も007映画の主題歌を2つも担当します。

 出演は、ボンドは続いてショーン・コネリー、ゴールドフィンガーにゲルト・フレーベ(ドイツの俳優)、その部下オット・ジョブにハロルド・坂田(ハワイ出身の日系人、ロンドン・オリンピックの重量挙げライトヘビー級のアメリカ代表だそうです。)、ジル・マスターソンにシャーリー・イートン(Shirley Easton)、ガロワにオナー・ブラックマン(Honor Blackman)、ミス・マニー・ペニーにロイス・マクスウェル(Lois Maxwell)。

ゴールドフィンガー(デジタルリマスター・バージョン) [DVD]/ショーン・コネリー,ゲルト・フレーペ,オナー・ブラックマン

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